第2章:埋もれし過去の産物
第37話「窮地」
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うとしました!だけど、無理なんです..!彼女の心の傷は...全てを壊すか、自身を理解してくれる者に殺される以外、癒される事はないんです...!」
...殺すしかないという選択肢は、子供にはきついでしょうね...。
そのオリヴィエとクラウスという人物は王らしいから大丈夫だっただろうけど、その記憶を受け継ぐアインハルトは、心苦しいでしょうね。
「しかし、緋雪がそのシュネーと同じとは...。」
「同じです。それは断言できます。...緋雪さんは、シュネーの生まれ変わりですから。」
「なっ....!?」
....本当に絶望したくなる状況ね...。
片やU-D、片や狂王の生まれ変わり。
どちらも人員を欠かす事のできない強敵で、緋雪の方は殺さなくてはいけない。
これは....。
「....行きましょう、アインハルト、ヴィヴィオ。」
「っ、君は...!」
「葵!」
「りょーかい!転移!」
どちらも早い事片づけないといけない事案。
なら、もたもたしていられない。
相手にできるのがアインハルトとヴィヴィオだけなのなら、さっさと二人を連れて転移すればいい。
...殺すかどうかで悩んでいる時間はないわ。
「....ヴィヴィオ、大丈夫かしら?」
「..う、うん。大丈夫...だと思う。」
相手にできるのは二人だけだとしても、クラウスと言う人物の記憶を受け継いでいるらしいアインハルトと違って、ヴィヴィオは本当に子供。
殺し、殺される戦いに身を投じるのは怖いのだろう。
「無理しなくていいわ。...いざとなれば、私が殺す事を担うから。...私と葵が、一番“殺す”事に慣れているからね。」
「う、うん。...ありがと、椿お姉ちゃん...。」
ん...なんか、“お姉ちゃん”と呼ばれるのはむず痒いわね...。
「しかし、よかったのですか?他の人達を置いてきて。」
「今の緋雪...私はとりあえずこっちのが呼びやすいからこう呼ばせてもらうわね。...緋雪は狂気の赴くまま、暴れ回るのでしょう?なら、早い事決着を付けないといけない。...でしょ?」
「...はい。かつての時も、そうしなかったせいで、無数の屍が...。」
そこまで言って青い顔をするアインハルト。
...記憶から思い浮かべてしまったのかしら?当時の事を。
「...悪いわね。殺すかどうかで悩んでる暇もなかったから、誰も連れ出せなかったわ。」
「いえ、連携を取る際には、ヴィヴィオさん以外は邪魔なので...。...椿さん、葵さん、未来ならともかく、過去のあなた達も含めて。」
「ええ。理解してるわ。」
アイ
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