第2章:埋もれし過去の産物
第37話「窮地」
[1/10]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
=椿side=
「....緋雪....。」
通信が葵に入り、全員がアースラに撤退した。
その中で私は、私を姉のように思ってくれた緋雪の名を呟く。
「...知っての通り、今、緋雪は暴走...いや、狂ったような状態になっている。彼女を止めようとした兄である優輝は、海に落とされてしまったようだ。今、サーチャーで探索を行っている。」
クロノが緊急会議として事情を簡潔に話している。
「その緋雪の強さなんだが...これまた厄介だ。君達には、神夜に普通に殴っただけでダメージを与えれるレベル....と言えば分かりやすいか?」
その言葉にほとんどの人がざわめく。
...確か、一定未満の攻撃は一切効かないのだっけ?そしてその“一定”が結構高いと。
ちなみに、私達未来から来た人や、“ギアーズ”と呼ばれる姉妹はよくわからないのか、首を傾げている。...まぁ、姉妹の方は実際に戦ったから恐ろしさは分かっているだろうけど。
「...間近で感じたけど、少なくともSS以上の魔力はあるよ。」
「....とのことだ。...U-Dの事もある以上、相当切迫した状態だという事を自覚してくれ。」
私にとっては、主戦力になる優輝が倒されて、切迫どころか絶望なんだけどね..。
「....クロノさん、発言よろしいでしょうか?」
そんな時、アインハルトが挙手する。
「なんだ?」
「...緋雪さん....いえ、シュネー・グラナートロートについてです。」
シュネー...?確か、アインハルトが探索の時に呟いていたような...。
「シュネー・グラナートロート?...どういうことだ?」
「...今の緋雪さんの言動、行動には全て見覚えがあります。...古代ベルカ戦乱時代、“狂王”として恐れられた人物と、容姿を含めてほぼ同じなのです。」
「“狂王”...?」
狂王と言う単語に、聞き覚えはないのかクロノは首を傾げる。
....私も知らないわね。
しかし、今度はユーノが反応を示した。
「...聞いた事があるよ。確か、その名の通り、狂ったように辺りを破壊し尽くし、幼馴染だった一国の王さえも殺した悪魔だって...。」
「彼女はそんな人じゃありません!!」
「っ、ご、ごめん...。」
そう言ったユーノに、アインハルトは憤る。
...文献でしか知らないのだから、それは理不尽なのだけど。
「...シュネーは、好きで破壊しまわった訳じゃないんです...。ずっと...ずっと護られて、怯えられて、罵られて...彼女の心は限界だったんです...!なのに...なのに!」
後悔するかのように、自分たち
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ