秋山 駿
第三章 手駒と策略
第三話 動きだした男
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った。
「秋山さん、さっき喜瀬が警察に出頭してきました。血塗れ、でしたが」
「喜瀬が……出頭だと……?」
内心は、驚きの反面少しホッとしていた。
あれが最期の会話にならずに済んだ、と。
出頭したのも、詫びのつもりだったのだろうか。
それは、喜瀬本人に聞くしかないが。
「足立にやられたと、ただそれしか言ってません。しかしそれと同タイミングで、奴が動き出しました」
一呼吸置いて、その名を呟く。
「宮藤が……東城会の座を奪いに動いています」
やはり、と思ってしまうのも無理は無い。
まだ一向に姿を現してはいないのだから。
だが宮藤が動きだしたという事は、大吾が更に危険に巻き込まれるという事だ。
勿論喜瀬は手を引いたとはいえ、遥も安全とはいえない。
「……宮藤に、直接会って話すしかないかなぁ」
「正気ですか?ホストやってるとはいえ、東城会の幹部ですよ?何されるか……」
まだ話の途中なのに、突然の来訪者がその会話を止めた。
汗だくになりながら扉を開けたのは、さっき出て行ったはずの伊達だった。
「わりぃ、お前らすぐに作戦会議始めるぞ」
「伊達さん、何かあったんですか!?」
伊達は肩で息をしながら扉にもたれかかり、1枚の紙切れを取り出す。
嫌な予感がする。
今まであった出来事を上回るような、嫌な予感。
「……桐生が、宮藤に攫われたんだ……」
それは、最悪な事態だった。
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