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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
外伝 第1話 「八神堂の店員」
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か。
 などと考えている余裕はなかった。あまりに強い衝撃を受けてしまったため、イスごと倒れてしまい床に打ち付けられてしまったのだ。

「え、あ、すまない!」

 俺が床に倒れたのを見て我に返ったのか、アインスが近づいて俺を起こそうとする。整った顔立ちと豊満な胸が眼前に迫り、女性特有の甘い匂いに鼻腔をくすぐられた俺の体は一気に熱くなった。

「いや、心配するな。大丈夫だから!」
「だが……本当にすまない」
「……あぁもう、あまり自分を責めるなよ。別に怪我もしてないし、お前のそういう顔は見たくないんだから」
「リョウ……」

 せこい言い方だったかもしれないが、今のような言い方でなければアインスは止まってくれなかっただろう。
 アインスは普段は大人しくて優しい性格なのだが、どうも人一倍恥ずかしがり屋であるため、人からからかわれたりすると今のような行動を取ってしまうことがある。今のところ物理的なダメージを受けたことがあるのは俺くらいだろうが、夜月くんあたりにいつか被害が出ないか不安になる。
 ――怪我をするほどじゃないが……結構痛いからな。被害者が俺だけで済むのならそれに越したことはない。

「あのふたりええ感じやろ?」
「うん、確かに」
「性格的にも相性良さそうだし、お似合いかも」
「あたしはそういうのあんま分かんねぇ」
「ヴィータは分からなくていいの。いつまでも今のままのヴィータで居て!」

 いつの間にか小学生達が密集して話している。
 ヴィータとそのあとのアリサの声しか聞こえなかったが、経験からしてあまり良くないことを言っていただろうな。それ以上にアリサの発言が気になって仕方がないが……ある意味では変態とも取れそうな発言だし。
 何はともあれ、落ち着きを取り戻した俺達はきちんとテーブルに座り直し、おはぎを食べ始める。話題は俺のことからアリサ達のことへ移った。

「そういえば、すずかちゃん達チーム名で悩んでるんやって?」
「うん……みんなで相談したんだけどまとまらなくて」
「あたしも考えてみたんだけど浮かばなくてさ」

 なるほど、それで彼女達をここに連れてきたわけか。
 なぜこのように分かったかというと、アリサがここに連れてきてくれたと言いながらヴィータの頭を撫で始めたからだ。
 ヴィータは強気な性格で口の悪いところもあるが、根は優しい良い奴だからな。今ではタメ語で話すけど、俺にも最初は敬語で話してたからな。

「うーん……パッとは浮かばんなぁ。アインスは何かええ案ない?」

 はやてに投げかけられたアインスだったが、おはぎに夢中のようで聞こえていないようだ。俺が肩を揺さぶって状況を教えてやると、再び顔を赤くしながら慌てた様子で話し始
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