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魔法少女リリカルなのはINNOCENT 〜漆黒の剣士〜
外伝 第1話 「八神堂の店員」
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るなぁ。わたしが特別扱いしてるんは、ショウくんとリョウくんだけやで」

 そこは夜月くんだけに絞ったほうがいいんじゃないだろうか。そうすれば、もう少し彼もここの勧誘を受ける気にもなってくれそうと俺は思うのだが。まあふたりの関係を見ていると、その程度のことでは何も変わらないようにも思えるが。

「えっと、はやて達との関係だったよね。まあ……簡単に言えば、暇な時間が多いから手伝いをさせてもらってる感じかな」
「え、結構毎日のようにいる気がするんですけど。そんなに暇な時間多いんですか?」
「俺の通ってる学校は種別で言えば専門学校なんだけど、基本的に1日にあたり3、4時間くらいしか授業がないところなんだ」
「それでも大変やろうし、わたしは無理して手伝わんでええって言うてるんやけどな」
「俺が好きで手伝ってるんだから手伝わせてくれよ。ここの手伝いは楽しいし、今みたいに美味いものにありつけるんだから」

 素直な気持ちを口にしてみると、食い意地が張っているや現金な奴だといったニュアンスの言葉を次々と言われた。自分でもそう思いもするが

「仕方ないだろ。ひとり暮らししてるから多少は料理作れるけど、はやての味には到底敵わないんだから」
「もう、そう言われると作ってあげたくなるやないか」
「はは、そう言ってくれるのはありがたいけど……そういうのはいつか出来る大切な人だけに言うべきだよ」
「ひどいなぁ、わたしはリョウくんのこと大切に思ってるで〜」
「大人をからかうのはやめなさい」

 俺は、からかうような笑みを浮かべているはやての口にスプーンに刺していたおはぎを押し込んだ。そのあと俺もおはぎを自分の口に運ぶと、「間接キスやな」という言葉が聞こえてきたが、俺はすでに成人している。小学生くらいの年代の子と間接キスをしたからといって何とも思いはしない。

「リョウ、あまり主とイチャつくのは頂けないな」

 隣から鋭く冷たい視線を浴びせられる。
 忘れていた……アインスははやてのことが大好きな――愛しているといっても過言じゃない奴だった。いったいどうやって彼女の機嫌を直せばいいだろうか。

「リイン、そう妬かんと。リョウくんのことが好きなんは分かるけど」

 はやてのさらっと放った一言に俺は理解が追いつかなかったのだが、アインスは一気に赤面した。

「ななな何を言っているんですか!? べ、べべ別に私はリョ、リョウのことを……!?」
「アインス、少し落ち着いたら……」
「こっちを見ないでくれ!」

 思いっきり突き出されたアインスの手が、相撲の突っ張りのような形で顔に入った。
 おはぎを口にしていなかったから良かったものの、もしも口に含んでいたのならばどうなっていたことだろう
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