■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十六話 出会いは唐突で
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た人もいたらしいですよ。たまたま出くわしたパーティーが救出したって聞きました。」
「……君がいて助かったよ。僕一人じゃ脱出の方法が分からなかったから……。」
「……助かったのは私の方です。本当にありがとうございました。」
「いいっていいって。」
雑談をしながら歩く二人の前に急に数人の男たちが現れて進路を阻んだ。マルバが何事かと思っていると……
「シリカちゃん、フリーになったんだって?よかったら俺たちとパーティー組もうよ、パーティー。」
シリカは困ったようにマルバを振り返ってから、丁寧に断った。
「お言葉はありがたいんですけど、この人とパーティー組むことになったので……」
男たちはじろりとマルバを睨んだ。思わず一歩下がるマルバ。
「あんた、抜け駆けはやめてくれないか。俺たちはずっと彼女の声かけてたんだぜ。」
「いや、そんなの知らないよ……。それに、僕は彼女をある場所に連れてく約束をしたからね、譲るつもりもないよ。」
その言葉を聞くとさらに男たちの視線の疑惑の色が更に濃くなった。じろじろと全身を見ているのは装備からレベルを推し量っているのだろう。
「ある場所……?」
「企業秘密ってやつだよ。」
「企業秘密……?怪しいな、お前、見たとこそんなにレベルも高そうじゃないのに、シリカちゃんをどこに連れてこうっていうんだ。」
「なんか嫌な聞き方だね。だから企業秘密だって言ってるじゃない。」
押し問答になりかけるが、シリカがそれに割り込んだ。
「あの、あたしのほうから頼んだんです!すみませんでした!」
シリカがマルバの袖を掴んで引っ張ったので、男たちもそれ以上言えずに恨みがましい目で二人を見送った。
「すみません、嫌な思いさせちゃって。」
「大丈夫、大丈夫。人気者なんだね、シリカさん。」
「シリカでいいですよ。――そんなことないです。マスコット代わりに誘われてるだけですよ、きっと。それなのに……あたしいい気になっちゃて……一人で森を歩いて……あんなことに……」
マルバはそれに対して微笑んで言った。
「大丈夫、きっと生き返られてみせるから。」
シリカもそれを聞くと安心したように笑った。
シリカの定宿、《風見鶏亭》が見えてきた。
「あの、マルバさん、ホームタウンはどちらに?」
「今のホームタウンは例の四十七層だけど、今日はここに泊まろうかな。」
「そうですか!ここのチーズケーキってけっこういけるんですよ!」
「へえ、それはいいね!甘いの好きだからさ、新しい街につく度に食べ歩きしてたんだけど、チーズケーキはまだ食べてないんだ。」
「マルバさん甘党なんですね。ちょっと意外です。」
言いながらマルバの袖を引っ張って宿に入ろうとすると、中から出てきたパーティーとすれ違った。何故か一人のメン
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