■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十六話 出会いは唐突で
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腕輪』と『ブルークオーツスライサー』は君の友達が還ってきたら返してくれないかな、僕も使うから。」
「もちろんお返ししますが……その短剣、装備してましたよね?使うんじゃないんですか?」
「ええと、僕にはこれがあるから。」
少年は右腰の円盤状の見たことのない武器らしきものを取り出してシリカに見せた。
「……?」
「見たことない?チャクラムって武器だよ。投げて使うんだ。」
「投剣なんですか?見たことないです。」
「二層の攻略ではかなり活躍したって聞いたけど、そんなに広まってるわけじゃないしね。」
ふうん、とシリカがしばらくその武器を眺めている間にマルバは今更ながら尋ねた。
「そういえば、まだ名前を聞いてなかったね。僕はマルバで、この子はユキ。しばらく、よろしくね。」
「あ、すみません!わたしはシリカです、よろしくおねがいします。」
「シリカ……?どっかで……あ、『フェザーリドラ』の主人か。ピナっていうんだっけ?」
「そうです、ピナです。現実で飼ってた猫と同じ名前なんですけどね。」
「そっか、それじゃなおのこと早く蘇生させてあげないと。僕も見てみたいからね。」
マルバは立ち上がると、何かに気づいたように急に声を上げた。
「……あ、そうだ。助ける代わりといってはなんだけど……、地図アイテム壊しちゃったもんだから出られなくて困ってたんだ。道教えてくれない?」
「……私も持ってなくて迷ってたんです……」
「……ええと……じゃあ、どうやったら出られると思う?」
「……地図アイテムなしだと脱出はほぼ不可能です。一分以内に各エリアを走り抜ければいいらしいんですが、私はそんなに速く走れませんでした……。」
「一分以内、か。弱ったな、僕一人だったら無理じゃないかもしれないけど……」
「そう、ですか……。足手まといですみません。シーフ役なんだからせめて《探索》スキルを持ってればよかったんですが、武器スキルの他は《隠蔽》とか《索敵》とかで埋めてしまったので……」
「……?《探索》があれば抜けられるの?あれって方角がわかるだけじゃない?」
「はい、このダンジョンは一分ごとに四方の連結が入れ替わるので同じ方向に進んでも脱出することはできませんが、《探索》さえ持っていれば同じ方角に進み続けることができますから。ちなみに、北が出口です。」
「そっか。それならユキに付いて行けば出られると思う。それじゃ、ちょっと走るよ。……ユキ、北だ。行くよ!」
マルバはそう言うと小走りに走りだした。ユキが先行する。シリカは慌ててそれを追いかけた。
そして第三十五層主街区。
「よかった、無事脱出できましたね!」
「ほんとによかった。あのまま出られないかと思ったよ……。」
「迷いの森って名前は伊達じゃないですから、中で遭難し
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