■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十六話 出会いは唐突で
[4/8]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
しまう。
マルバは跪いたまま、彼女の肩に左手をおいて言った。
「大丈夫、僕が手伝ってあげる。」
そういうやいなや、少女の視界にトレードウィンドウが開いた。驚いて少年を見つめると、彼はその右手を操作して次々とトレードウィンドウに装備品を移していた。
《軽防具:『ブルーアローイプレート』》
《副防具:『鈍光』》
《追加防具:『フェザーリィ・ウェリントン』》
《追加防具:『豪腕の腕輪』》
レアアイテムが多いのだろう、シリカが見たことも聞いたこともないようなアイテムが並ぶ。唯一知っているのは『豪腕の腕輪』というアイテムで、筋力値がぐんと上昇する競売にかければ高く売れるはずの準レアアイテムだ。
最後に少年は自分の左腰から鋭い輝きを持つ短剣を抜くと、鞘も外し、鞘ごとストレージの中に突っ込む。そしてそれもトレードウィンドウに移した。
《武器:『ブルークオーツスライサー』(短剣)》
「これで6、7レベルは底上げできるんじゃないかな。僕も一緒に行くよ。これだけあればなんとかなると思う。」
シリカは少年を見つめた。その口調や背格好から察するに、高く見積もってもせいぜい十八歳程度の少年だ。この層で最強のモンスターを一撃で葬った攻撃から考えると相当なハイレベルプレイヤーだと予想できる。
そして、シリカはそんな少年の真意が分からず、警戒してしまった。《甘い話には裏がある》のがSAOの常識である。
「……どうして、そこまでしていただけるんですか?」
うーん、と唸ってから、彼は口を開き、
「僕もさ、こいつを失ったら生きていけないからさ。」
そういっていつの間にかすぐそばにいた黒いウサギを抱き上げた。
「こいつ、ユキっていうんだけど、第三層からずっと一緒にいるんだよ。この世界でずっと僕を支えてくれたパートナーって感じでさ。君にとって同じような存在がいなくなってしまったのなら、その子を助けてあげたいなって思って。」
それから彼は少し躊躇してから、こう付け足した。
「それに……君の雰囲気がなんかその……妹に似ててさ。ほっとけないもんだから……」
思わず笑ってしまったシリカに、少年はバツの悪そうな顔をした。
「笑わないでくれよ……」
「ごめんなさい、でもおかしくって……!」
ひと通り笑うと、シリカは涙を拭ってからマルバに向き直った。
「ありがとうございます。それじゃ、これからしばらく、よろしくおねがいします。助けていただいたのに、その上こんなことまでしていただいて……あの、こんなんじゃぜんぜん足りないと思うんですけど……」
手持ちのコル全てを入力するが、少年はそれを受け取らずにOKボタンを押してしまった。
「いいよ、僕にはいらないものだったから。悪いんだけど、『豪腕の
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ