暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン もう一人の主人公の物語
■■SAO編 主人公:マルバ■■
二人は出会い、そして◆蘇生
第十六話 出会いは唐突で
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の敵を斬り飛ばした。バシッという乾いた音と共に円月輪を回収すると、マルバは自分が助けたプレイヤーの小ささに目を見張った。
地面に倒れ伏して嗚咽を漏らす少女の近づくと、その手に握られた小さな羽根が目に入る。その瞬間、マルバは全てを悟った。彼女もビーストテイマーだったのだろう。

「ごめんね、もうちょっと早ければ君の友達も助けられたと思うんだけど……」
マルバはそれしか言えない。
彼にとってもユキはなくてはならない存在だ。特にソロのマルバはユキの戦闘能力より彼女がそこにいることでもたらされる暖かさにずっと助けられてきた。孤独に戦う時も絶体絶命の時もずっとそばに居てくれた彼女に何度助けられたことか。マルバはそんな半身とも言える存在を失った悲しみを予想できなかった。


「ほんと、ごめん……」
「……いいえ……わたしがバカだったんです……。ありがとうございます……助けてくれて……」
マルバはゆっくりと少女の前に跪き、その手の中の小さな水色の羽根を見つめた。羽根、ということは飛行型モンスターだったのだろう。
「その羽根……アイテム名って設定されてる……かな?」
遠慮がちに尋ねたマルバの問いが予想外だったらしく、少女は涙を拭くと戸惑いながら軽く羽根をタップした。ウィンドウが開き、その重量と名前が表示される。

《ピナの心》

その表示を見ると、少女は再び泣き出しそうになる。それと対照的にマルバは安堵の溜息をついた。
「よかった、《心アイテム》が残ってれば蘇生が可能だって聞いたよ。」
「え!?」

少女が顔を上げて驚いた目でマルバを見つめた。マルバは手帳アイテムを取り出すと、中の情報を見ながら言葉を続ける。
「信頼できる情報屋で買ったから確かな話だと思うよ。第四十七層の南にある、《思い出の丘》ってフィールドダンジョンの最も奥で採れる『プネウマの花』が使い魔を蘇生させるアイテムだって……」
「ほ、ほんとですか!?」
マルバの話が終わらないうちに少女は叫んだ。その目に希望の光が灯る。しかし、次の瞬間、なにかに気づいたようにその光は掻き消えてしまった。

「四十七層……」
装備から、そしてこのダンジョンにいることから察するに彼女は中層プレイヤーなのだろう。だとすればレベルはせいぜい40台前半のはずだ。四十七層に挑戦するにはレベルが低すぎる。

「情報、ありがとうございます。……今は無理でも、いつか……必ず……!」
ふらふらと立ち上がりかけた少女に、マルバの残酷な一言が降り注いだ。

「それが……使い魔を蘇生させりことができるのは、三日間だけ、らしいんだ……。しかも、使い魔を亡くしたビーストテイマー本人でないと花を採ることはできないらしい。」

「そんな……」
少女はその瞳に絶望の色を浮かべ、再び地面に膝をついて
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