番外編 〜夜戦トーナメント〜
ハルの膝は誰のモノか
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は、時々川内が身をぐっとよじらせるのが恐ろしいが……幸いなことに、まだ痛い部分を耳かきで突いたりはしてないらしい。
「球磨にもさ。いつもこうやって耳掃除やってあげてるの?」
「だな。あいつは言い出したら聞かんから……」
「目に浮かぶよ。でもさー」
「ん?」
「球磨だけ……んっ……特別扱いかー……」
「特別扱いっつーか厄介払いみたいなもんだな」
「またそういう照れ隠しを……んっく」
「どこらへんが照れ隠しやねん……そういや川内は別に耳掃除が目当てじゃなかったよな?」
「まぁ半分は夜戦が目当てだったけどね。でも」
「ん……」
「んくっ……もう半分は、ハルの膝枕にちょっと興味があったからかな」
「マジかい……」
「うん……」
そら光栄というか何というか……でもこんな野郎の膝でええんかい……。
「でも今日はお姫様だったんじゃんハル」
「だな。そればっかりは否定できんわ」
右耳も耳かきでかきかきし終わったら、今度はローションを浸した綿棒で両耳を拭いていく。
「もうやり慣れてるだろうけど、ちょっとひやってするかもしれんぞー」
「はーいりょうかいぃぃぃいいいいいい!!?」
「あ、すまん。痛かったか?」
「いや、そうじゃなくて……ッ!?」
「ならよかった」
俺は別段特別なことをしているわけじゃないし、川内だって俺の耳掃除が初めてなわけじゃないんだが……
「んんんんん……んんー……ッ」
「大丈夫か?」
「だいっ……じょうぶ……だから……ッ」
とこんな具合で、終始体をこわばらせていた。左耳をやるときなんかは、わざわざソファと俺の足の間に手を突っ込んで、なんかギューって俺の足にしがみついてたし。
そんな見慣れない様子の川内の両耳も、丹念にふきふきし終わった。川内。お疲れ様でしたー。
「ふぃ〜おわったー……」
終わった途端に川内は全身から力を抜き、俺の膝枕からどかないまま、仰向けに寝転んでいた。初めて耳掃除した時の球磨みたいにクタッとはしてないけど、なんだか耳掃除する前より疲れてるような……まぁあれだけ体をこわばらせてたんだ。仕方ない。
「よかったですか? お嬢様?」
「うん! ありがとう! ……あーそれから」
「?」
「次耳掃除してもらうときは、私は散髪台のシートでいいや」
「そうしてくれ。やっぱ野郎の膝枕で女の子の耳を掃除ってのはな」
「んーん。そうじゃなくて……」
ん? 川内は何が言いたいんだ?
「あ、あとさ。明日は球磨が哨戒任務から戻ってきたら耳掃除してあげなよ。多分せがんでくるから」
「分かった。妖怪アホ毛魔王の耳も明日綺麗にするよ」
「そうしてあげて!」
そういい、いつもよりも若干赤みがかったフラッシュライトのよう
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