番外編 〜夜戦トーナメント〜
一人前のれでぃーvs海の向こうから来た日本人
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らにまで海水が飛んでくることがあり、おかげで俺は水も滴るいい女になってきた。ここまで水しぶきが飛んで来るってすげぇな。
それにしても……演習とはいえ戦闘をはじめて見ているわけだが……こんなに迫力あるとは思わなかった。実戦もこんな感じだとすれば、時々妖怪アホ毛女が大怪我して帰ってくるのもうなずける。音だけでも、艦娘の戦いって凄まじいってのがよく分かる。
『一人前のぉぉおおお!!!』
『れでぃぃいいいいい!!!』
二人ともまけんな。がんばれ!
「ハル」
いつのまにやら、提督さんがコーヒーと皿いっぱいのシュークリームを持って俺の傍らに来ていた。どうやらお姫様である俺に、試合観戦中のおやつみたいなものを作ってきてくれたようだ。なるほど。これはちょっとしたマリー・アントワネットな気分だ。試合が楽しければシュークリームを食べればいいじゃない、的な。……違うか。
「ぁあ、提督さん。塞ぎこんでるって聞いたから心配してましたよ」
「心配かけてすまん。一通り泣いたあとな、みんなのためにシュークリーム作ってたんだ」
そう言って演習場を眺める提督さんの目は、少し赤く腫れていた。正直そんなことで大の大人が目を赤く腫らすほど泣くってどうなのよ……と思ったが、それは黙っておいたほうが良さそうだ。
「……ん、うまい。やっぱさすがっすね提督さん」
「ありがと。で、状況はどうだ?」
『今んとこ五分五分だねー。夜戦だからお互い相手の攻撃喰らったら一発大破だし、二人とも慎重に動いてるみたい』
「へー……そんなもんなの?」
『そうだよー。夜戦になれは、私だってビス子を一発で倒せるからねハル兄さん』
「こんなところでいちいち自分の有能さをアピールせんでよろしい」
そうして俺達が高みの見物をしている間にも、暁ちゃんとビス子の戦いは続く。『ドカン!!』というハデな砲撃音と同時に暁ちゃんの『もう許さないんだからぁあッ!!』という雄叫びが聞こえたところで、北上のアナウンスが入った。
『ストップ。暁が大破しちゃったんで、ここで試合終了ー』
直後、照明が演習場を照らした。その時演習場には、海面にぺたんと女の子座りしている暁ちゃんと、その暁ちゃんに向かって砲塔を向けて立っているビス子の二人が照らしだされた。
「ぐーやーじーいー!!!」
「やったわ!! これで一人前のレディーに一歩前進ね!!」
勝者にも敗者にも、平等に賛辞は贈られるべきだ。二人共、お疲れ様。
「でもアカツキ……さすがね。何度もヒヤリとさせられたわ。いくら私が夜戦が得意だと言っても、やっぱり貴方達には敵わないかもしれないわね」
「……んーん。やっぱりビス子は一人前のレディーよね。この暁に勝ったんだから、ちゃんとハルの膝枕と耳掃除をゲットす
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