番外編 〜夜戦トーナメント〜
お姫様はハル
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の大会の唯一の見物客にして、優勝者に贈られるトロフィー的役割である俺は、なんだかよく分からない豪華なソファに座らせられている。この椅子、なんか見覚えあるんだけど……この、少し古くて色あせてるけど、座るとフワッと身体を包み込んでくれる感触なんか特に。
「それ、執務室のソファ。さっき提督がひーこら言いながら運んでたよ」
冷めた顔でしれっと中々ひどいことを隼鷹が言いやがった。お前手伝ったんだよな?
「やだよ重いし」
「お前と提督さんの家庭は間違いなくカカア天下だな……」
「ウォォオオオオオ!!!」
おいお前ら。なんでそこで雄叫びあげたんだ。
「そしてその提督さんはどうしたんだよ北上」
「えーとね。なんか『催し物なんだから夜店でも出したいなぁ』て言ったんだけど、隼鷹が『いらない』って一蹴しちゃって、ショック受けて執務室にこもってるみたい」
――隼鷹のバカァァアアア!! 隼鷹のバカァァアアアアん!!!
恐らく執務室で隼鷹に対して呪いの言葉を吐き続けているであろう提督さんに、俺は少なからず同情した。
「はーい。それじゃあ大会開始にあたり、トロフィーにして今大会のお姫様、ハルに一言もらいましょー」
北上がそんなことをのたまいやがり、急に俺にマイクを向けてきやがった。なんだそりゃ。一言なんて何も考えてないぞ。何言えばいいんだよ北上ぃ。
「適当にあることないこと言っときゃいいんだよ」
んな無責任な……
『あー……オホン。みんな、がんばれ』
何も思いつかないので、とりあえずありきたりなことを皆に言ってみる。
「ぶーぶー!! もっと面白いことを言うクマー!!!」
「そう……だー……ぐぅ……」
「いいからやせーん!!」
「そんなんじゃ一人前のレディーにはなれないわよー!!」
「だったら暁が一人前のれでぃー!!」
皆口々に思いつく限りの罵倒を俺に浴びせてきやがる。なんで唐突に一言振られた上にこんな罵倒まで浴びなきゃならんのだ……しかもお前ら、膝枕して耳掃除して差し上げる俺に対してそんな言い方ないんじゃない?
……仕方ない。俺もお姫様といえども男だ。ここは腹をくくるしかないだろう。
「優勝した人は、あたしが膝枕して耳掃除してあげる……だから……だからみんながんばって!!(陸奥(だから誰だ?)みたいな色っぽい声)」
俺のセクシーなボイスは想像以上によく響き渡り、その途端会場は水を打ったように静まり返った。その後選手たちの方から聞こえてきたのは、落胆のため息。
「うーわ……そら私の目も冴えるわ……」
「……はぁ〜。ハルには失望したクマ」
「いいから早く夜戦!!」
「そんなんだからハルは一人前のレディーになれないのよ……シャイセッ……」
「
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