番外編 〜夜戦トーナメント〜
お姫様はハル
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ながら川内が気安く俺の肩をバンバン叩いてくる。いや待て。そういう問題じゃない。
「提督さん……」
「ハル。何も言わず、やってもいいと言ってくれないか?」
「いやだから、そこでなんで俺の許可がいるんすか……」
やはり核心に触れると皆俺から目をそらす……一体何なんだこれは……ええい仕方ない。
「……あー、はいはいわかりました。許可します。やっていいですこれでいいですか?」
「?!」
「クマッ?!」
「よしッ! これで夜戦がッ!!」
「これで一人前の!!」
「れでぃー!!」
「ぐー……」
「まぁ仕方ないわな」
「あー……オーケーしちゃった……」
呆れ果てる隼鷹と北上以外の反応は様々……夜戦だから大喜びしてる川内はまぁいつもどおり。加古は聞いてるんだか聞いてないんだか分からんレベルで鼻提灯をふくらませていて立ったまま熟睡中。暁ちゃんとビス子はなんだかガッツポーズして、球磨に至っては戦闘意欲満々といった感じでアホ毛がまっすぐに天を突いていた。
「やっちゃったねハル兄さん」
「兄さんはやめろ北上。つーか何なんだよこれ。なんで俺の許可がいるのかそろそろ話してくれてもいいだろう?」
「えーとね……このトーナメント大会、優勝したら賞品が出るんだけど……」
困ったような……でも内心かなり呆れ果てているような表情を浮かべてほっぺたをぽりぽりとかきながら北上が説明してくれた。
「その賞品ってのが、『ハルに膝枕で耳掃除してもらう権利』で……」
はい? 俺が? 優勝者に?
「そ」
「膝枕?」
「やー」
「んで耳掃除?」
「ハルの膝枕は暁がもらったわ! そうすれば暁は一人前のれでぃー!!」
「グヒヒヒヒヒヒ……やせん……これで夜戦が……!!!」
「ハルの膝枕は渡さんクマ……!!」
拍子抜けしたというか何というか……そんなもんのためにみんなこんなに目くじら立ててるのか……。
「すまんなハル。俺もみんなを止めたんだが……」
「いや別にいいですけど……みんなそんなに膝枕やって欲しいんすか……」
「皆それぞれに目的はあるが……少なくとも暁とビス子はハルの膝枕が目的だな」
提督さんの視線につられて俺も暁ちゃんとビス子を見た。二人してガッツポーズを決め、『これで優勝して膝枕してもらえれば一人前のれでぃー……!!』と声を揃えてつぶやいてやがる……なんで膝枕されたら一人前のレディーなんだよ……
「なにッ?! ついにハルが膝枕を呑んだ?!」
みんなからワンテンポ遅れて加古の鼻提灯がパチンと割れ、急に目をクワッと見開いてそんなことを叫んでいた。加古さん、あなたみんなのリズムに乗れてませんよ……
「いやハル、ホントすまん」
「いやだから別にいいですって」
あ
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