番外編 〜夜戦トーナメント〜
お姫様はハル
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にはなれないです。
ついては、れん度向上とみんなの気のひきしめのため、
なによりも一人まえのれデぃーとなるため、
今日のよる、やせん演習をかねたトーナメント大会を行うことを上申します。
かしこ
○月○日 あかつき びすこ
「……ビス子」
「何よ?」
「この上申書さ。お前も連名なんだよな」
「そうよ」
俺の問いに悪びれる風もなく……むしろ誇らしげに髪をファサッとなびかせたビス子。……なんだこの小学生の絵日記みたいな紙は。軍人ではない……それ以前にサラリーマン経験すらない俺でも、これが正式な書類の規格からはみ出たものであることが分かる。
大体、上申書の最後を『かしこ』で締めくくるってどうなんだよ。そらぁ暁ちゃんとビス子は女だから『かしこ』を使う事自体は間違いではないけど、そのかしこ自体上申書にはいらないよなぁ? これじゃ書類っつーよりも、ちょっとだけ背伸びしたお手紙だよなぁ?
「で、これがどうしたんすか?」
「ああ。書式はどうあれこのような上申が出た以上、無視するわけにもいかない。ひいてはハルの許可を得た上で、今晩夜戦演習を兼ねた一対一の夜戦トーナメント大会を行おうと思っている」
そんな提督さんの説明を聞きながら、『そういや昔、ロックなBGMに乗せてランスでド突き合う面白いトーナメント映画があったなぁ……』なんてのんびり考えていた。ロック・ユー!
……いやちょっと待て。
「? 提督さん、一つ聞いていいですか?」
「いいよ」
「なんで俺の許可がいるんです? 艦娘たちの夜戦演習の話ってことは、鎮守府の運営に関わることですよねぇ?」
「だなぁ」
「だとしたら俺はまったく関係ないですよね。そらぁ演習だけどイベントみたいなもんだから見物ぐらいはするかもしれませんが……」
「……」
提督さん、なぜ俺から目線を外すんですか。
「おい球磨」
「クマ……」
お前もなぜ俺と目を合わせないんだよ妖怪アホ毛女?
「教えろ隼鷹」
「夜戦だからあたしゃ関係ないし〜。他の子に聞いて」
「北上」
「私も辞退したからパス。他の子に聞いて〜」
なんだ? なぜ誰も理由を話そうとしないんだ?
「誰か説明してくれ。トーナメント大会大いに結構だが、なぜ俺の許可がいるんだよ?」
「つーん……」
「ぷーい……」
「クマ……」
「ぐふふふふ……」
「くかー……」
知らんうちに鼻ちょうちんを生成しながら居眠りし始めた加古と薄気味悪い笑みを浮かべる川内以外の全員が俺から目をそらしている。……なんだなんだ? 俺のあずかり知らないところで一体何が起こっているんだ?
「まぁいいじゃんいいじゃん。ハルが『いいよー』って言ってくれれば、夜戦できるんだしさ−」
そういい
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