第12話 高レベルのジレンマ
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手キャラと向き合い、好きなワザを掛け、好きな演出でボロボロにしていき、体力ゲージを減らしていく。
同じように喧嘩やスポーツなどでも、このように考える輩もいる。
頭に血が上ったり、パニックになったりして冷静に判断するような機能が抑制されても身体を動かす人に顕著に現れる傾向だ。
この時、冷静にその場を確認していくという注意が欠如して自分で勝手に都合の良い戦況にしようと妄想に近い思い込みが動く。
このテクニックはそうした状況になった人が対象だ。
「嵌めるなら思考よりも先に身体が動くヤツだな。決まり文句としてカッとなって殺ったという性格のヤツ」
「あっ!!結構いるわーそういうタイプ!」
気が付いていたら殴っていました
ついカッとなってやってしまったなど
日常的な事件のニュースにもそういった表現がされている。
白井は開いているネットニュースにそのようなワードが並ぶ事件が多いことに気が付く。
喧嘩する者の理想形としては……
思い通りに拳が入り、相手は予想通りに崩れ落ちる。
そして追撃をする。
相手は涙を流し、「助けてくれ」と懇願する
この場だけに生まれた上下関係
相手の死や生が自分の挙動に掛かってくる優越感に浸れる感覚。
戦闘を志すものにとっては誰しもが考える理想的な展開。
よってその願いを逆手にとって、相手に幻を見せる。
相手の脳内にチャクラを流し込んで、五感を支配し、あたかも自分がボロボロにされるように演出をする。
こうなってしまえば、相手は頭の中で起こっている出来事に満足してしまい現実を直視しなくなる。その隙に相手を仕留めるのが一連の流れだ。
ある程度、幻術に強いものであれば相手に自分が見せたいものを見せることが可能であるが
サソリを含めて、あまり得意ではないものや今回のケースに類似している大多数の人間を幻術に嵌めるには相手が見たいと考えている映像を脳内に流す方がより簡単となる。
「意識不明者が増えていることから大規模な幻術だと考えたが、実情はそうではないみたいだ」
サソリは先日、戦った不良の男を思い出した。
幻術に掛かっているのであれば、あそこまでサソリが苦戦することはなかっただろう。
「へえ、そんなワザがあるのねえ」
「それで幻術ってどうやって掛けるんですか?」
「?もう意味はないぞ」
意識不明にする方法としての幻術はサソリの中で除外されているが、御坂と白井は好奇心に目を光らせている。
「でもあるなら知っておいた方が良いし。もしかしたら関係があるかもしれないわ」
この間の分身の術等……科学では解明できていないワザを持っているサソリは御坂達の中では新しい世界を知らせてくれる貴重な存在だ。
御坂は少し離れた場所のデスクに座っている白井の肩を掴むとニヤァと何かを企んでいるような笑
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