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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第12話 高レベルのジレンマ
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受けてるみたいだ」
サソリは、ゆっくり一口付けると顔を歪め、舌を出して悶絶する。
「に、苦い……」
多少前のめりになると頭を叩いて苦味を緩和しようとする。
ブラックコーヒーを優雅には飲めませんでした。
「やっぱり、ダメみたいね」
「砂糖とミルクがありますよ」
とサソリの前に出していく。砂糖をスプーンで掬うのではなく振って上から掛けるタイプの容器だ。
サソリはもの珍しそうに手に取るとコーヒーの上で振って入れる動作をした。
「罰で思い出したけどさー、コーヒーって昔は刑罰の道具だったみたいね」
「あ、それ聞いたことあります。死刑囚にコーヒーを飲ませるとどうなるかって実験も兼ねて」
↑本当にあったみたいです。
17世紀のヨーロッパにあるとある国でコーヒーは有害なのか、無害なのか不明で毎日死刑囚に決まった量のコーヒーを飲ませての経過観察。いわゆる死刑囚を使った人体実験が行われていました。
「結局、どうなったんだっけ?」
「たしか、80歳まで生きて大往生したみたいですよ」
毎日決まった量のコーヒーを飲ませても、いつも元気に牢屋の中で過ごし、結局健康寿命を全うし亡くなりました。
世界一緩やかな処刑。
ここからコーヒーは身体に良いという情報が含まれて中世の貴族や王族に好まれるようになり代表的な嗜好品として庶民にも味わえるものとなった。
話をしている脇でサソリは震える手で砂糖差しの蓋に手を掛けて、力を少し入れた瞬間に
「!?」
蓋がすっぽ抜けて中の砂糖が大量にサソリのコーヒーにぶちまけられた。
…………………
まるで砂糖が富士山のように積り、コーヒーという湖の中にポッカリと聳えたっている。
山盛りの砂糖を匙を使ってかき回してみるのだが、まあ飽和状態をとうに通り過ぎたコーヒーという液体の中で固体のままの砂糖がむなしく位置を変えるだけに留まる。
一応、口に入れてみるのだが。
「うぇ……」
これは砂糖の塊にコーヒーが付いたという表現が近い物体だ。
口の中でザラザラと不快に残り続ける砂糖の粒に気持ち悪くなる。
「どうしたの?」
「今度は甘すぎてダメだ」
「うわー、初めてみる姿だわ」
サソリはもはや拷問に近くなった飲み物の入ったマグカップを空中で振る。
「もう、いらん」
御坂の電撃を受けた白井は元に戻りつつある身体をゆっくりと起き上がらせて自分のデスクに座り。
「……」
サソリが力無く振るマグカップに白井の視線は注がれた。
サソリが口を含んだ箇所と生気が少しだけ戻った口元を無意識下で交互に眺めてしまう。
白井の物欲しそう目線に気づいたサソリは言う。
「?……飲むか?」
またしても爆弾発言!
「の、飲むわけないですわ!!この須甲比音め!!」
あのときのキラキラネームである。
「はあ!?オレなんかヘマしたか
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