第12話 高レベルのジレンマ
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た部屋に落ち着かない様子だ。
「あれ、外出できたんですね。サソリさん」
「まあな、ちょっと細工したが……」
サソリはプラプラと腕を椅子の脇へとダラリと落としながら、腕を軽く前後に振った。
白井は自分の席にあるパソコンへと向かうとパソコンを少し弄りながら横目で御坂とサソリを眺める。
あの頭の包帯はブロックで殴られて傷
脇にはナイフにより傷
包帯の上から傷害場所を思い出し重ねていく。
ここまで詳細に分かるのはこの場で自分だけ……
生々しく浮かび上がる想い出の光景に浸っていると……
「黒子は何してんの?」
御坂が白井の横に立ってパソコンを覗き込み、質問した。
「お、お姉様!い、いえ……ちょっとレベルアッパーについて情報をまとめていまして、今までの傾向だったり、素行だったりをここで確認したりと……」
「ふーん、企業の平均株価の画面でそんなのが解るの?」
その言葉で白井は初めて自分が開いているサイトを確認した。
「ほわっ!!?」
それはレート形式で企業の平均株価の変動が記された線だった。
昨今の不況により平均値は下がり気味である。
白井は誤魔化すために隣に立っている御坂に向かって抱き着きだした。
「お、お姉様!!少しは黒子に愛を」
白井は隣に座った御坂の腰元へと手を回して、御坂の身体に恍惚とした表情でスリスリと御坂のスカートの上から臀部(おしり)を撫でまわす。
「んなぁぁ!ちょ、ちょっとやめなさい黒子!」
スカートをめくって中へと滑り込ませる白井の手を御坂が顔を真っ赤にしながら電撃を放出しながら止めていく。
電撃という愛情表現に痺れた白井は、緩んだ顔で椅子から崩れ落ちて御坂の足元へと転がった。
「あ……あぁぁ。お姉様……スカートの下は刺激的なパンツの方がよろしいかと」
「大きなお世話!!」
スカートに下に履いているズラされた短パンを元に戻しながら息を荒げてビリリと威嚇の電撃を空気に迸らせる。
カチャカチャと初春は鼻歌を歌いながらコーヒーを人数分作っていく。
インスタントではあるが、気分転換にはもってこいの代物だ。
「はい、どうぞ」
と御坂に渡し、白井の机に置き、車椅子に座っているサソリへと手渡す。
「……こいつは?」
「コーヒーよ。前に喫茶店で木山さんが飲んでいたやつ」
御坂が答えた。
「あれか……」
あの露出女がおいしそうに飲んでいた……いや、おいしそうに飲んでなかったかな。
喫茶店での出来事を回想していると。
「サソリさんってコーヒーとか似合いそうですよね。なんかブラックコーヒーとか朝飲んでそうで」
優雅に朝からブラックコーヒーを飲んでくつろぐサソリの姿を想像した。
「こんなに黒くて大丈夫なのか?」
「大丈夫よ。ほら私だって飲んでいるし」
「この展開なんか嫌だな……罰
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