第12話 高レベルのジレンマ
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の拡大の阻止
2. 昏睡した使用者の恢復
3. レベルアッパー開発者の検挙
の三点だ。
包帯を巻き終わると立ち上がり捜査のために残しておいた、レベルアッパーのダウンロードサイトを開く。
必ずこんな装置を開発してインターネットを通じてばら撒いた黒幕がどこかに居る。
見つけ出して、その目論見を吐かせることが最大の目的となろう。
一個人かそれとも組織的犯行か?
煌々と輝く人工的なディスプレイの光が白井と初春を怪しく照らす。
正直、ここまでの大規模な案件はジャッジメントとして初めてのケースだった。
ここで抑えなければ、ジャッジメントとしてのメンツが立たなくなる。
それほどまでにシビアな「正義」だ。
するとセキュリティロックが掛けられた自動ドアが開いて部屋に御坂と車いすに乗ったサソリが入ってくる。
「よーす」
御坂が能天気にも空気を読まぬ特攻に刹那瞬だけジャッジメントの二人が固まる。
白井は、横眼でサソリを視界に収めると「非常事態」と頭の中で宣言して、近くにいた初春を座標演算で御坂とサソリの間へと飛ばし、自分は慌てて上着に手を掛ける。
傷だらけの弱った身体を見られることにも抵抗があったが、それ以上にサソリが入ってきたことに内心パニックに拍車を掛ける。
「「え?」」
初春と御坂、両者が驚きの感嘆を漏らし、車椅子に腰かけるサソリのひざ元に受け止められた。いや、受け止められたというよりも唯単に初春の落下地点がサソリの膝上だったという説明が正しい。
「なんだよ?」
「す、すみません」
幸いにも御坂とサソリの注意は初春へと向かったことにより白井の身体を見られることはなかった。
サソリは初春を下すと息を妙に荒げている白井に向かい口を開いた。
「いきなり飛ばすな」
「いきなり入ってくる方が悪いのですわ」
そして、学校指定のカーディガンを上から着ると、顔を伏せたまま言った。
心の中で「セーフ!」と謎の審判が声を上げてガッツポーズしている。
ジャッジメントの活動拠点では基本的に一般学生が入ることができないように専用のセキュリティロックが掛けられているのだが、御坂の電気を使った能力によりロックを解除し、御坂とサソリは屋内に侵入してきた。
「いやー、ジャッジメントじゃないけどさ。私もこの事件に首突っ込んじゃったし……それにサソリもこの件に関しては手伝ってくれそうだしね」
「オレは一言も言ってねえんだがな」
「まあまあ、いいじゃないの。やられたらやりかえす……ってね」
何故一瞬溜めたんだ?
椅子に深く座っている御坂がニコッとサソリに笑みを浮かべた。
包帯だらけのサソリは三人の座っている椅子の近くに車椅子を止められるともの珍しそうにキョロキョロと見渡した。
「変な場所だな」
こんなに仕切られた図形に包まれ
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