24.トロデーン城の火事
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はとりませんでしたが、明らかに警戒していました。
エイトは唾を飲んだとき、扉が開きました。
現れたのはクロノスです。
そしてエイトはククールがいうまがまがしい気を初めて理解しました。
「クロノス・・・マルチェロはどうした。」
「と、言うよりマルチェロさんや外の兵士に何をした・・・・・・」
「クロノス・・・なの?」
真っ直ぐに見つめるクロノスを見て、三人は武器に手を触れました。
クロノスがクロノスではない何かを感じたからで、彼女を殺すより防衛本能に近いものでした。
そのせいで三人はクロノスの瞳が朱に変化しているなど気づきませんでした。
「それは歴史が物語り、受け継がれるものであり、人の本質を表している。
平和があれば争いがあり、争いがあれば平和がある。
二つは反したものでありながら、共存してきた。
人は死を望んでいる。
ラプソーンを倒した勇者たちよ、下がれ!!」
ミーティア姫からはどう見えたことでしょう。
厨房の爆破。突然の火事。厨房付近の兵士気絶。
すべてが奇怪に見えたことでしょう。
厨房が火事になることが普通でも、一般人にさえ何かを感じとらせます。
燃える厨房の中、エイトはゼシカを庇いながら頭を働かせます。
四方八方が炎の海で喉や肺があまりの痛さに機能しない中、ゼシカを抱えたまま移動を試みました。
うまく動かない足に苛立ちながら火の中に飛び込めず覚悟を決めました。
(せめて、ゼシカだけでも助けなきゃ・・・・・・
形さえあれば認識されてザオリクもかけてもらえるし。
なーんて、ね。二人で生きなきゃ意味がない!!)
最後の力を振り絞り走り出そうとしたエイトでしたが、無駄な勇気にされてしまいました。
燃える厨房の骨組みをバサバサ薙ぎ倒す二人組が現れたのです。
炎の中で平然とする長身はマルチェロでした。
はやぶさの剣・改の早さを利用して炎すら斬るマルチェロには何故か納得します。
炎すら斬るか、マルチェロは。
もう一人は斧を持つあの人でした。
その例のあの人に持ち上げられたエイトとゼシカは、そのまま気を失いました。
火事の被害者の中でも早く目を覚ましたのはククールでした。
見下すマルチェロが一発目の視界に入りました。
そのあとは燃えた厨房、気を失うエイトとゼシカでした。
「兄貴・・・無事だったのか」
「貴様には借りがある。これで返した。
フッ・・・・・・
それよりこれはエリスだな。
よく考えれば彼女が中にエリスを閉じ込める結界で、それがあの魔法陣で解けるなら、結界が弱まっていてもおかしくない。」
「兄貴はクロノスが好きなんだろ?
わりぃ、助けらんなかった。」
「貴様に期待なんぞはじめからしていない!!
期待より絶望に近いことならしで
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