Side Story
少女怪盗と仮面の神父 5
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(……？)
砂浜を去る間際アルフィンと手を振り合ってから北北東に位置する村の出入口付近まで来たミートリッテは、珍しい光景にピタリと立ち止まって首を傾げた。
村を囲む森の中でも特に大きく育った二本の木を伐採し、幹だけを加工装飾して立てた村の門。その一歩外側に、村の自警団員二人と見慣れない男が四人。緊張した面持ちで辺りを窺いながら、何かを話している。
(村へのお客さん？ にしては、随分と重苦しい雰囲気ね)
今は近寄るべきじゃなさそうだ。
異様な空気を察し、仕事の邪魔はするまいと一団に背を向けようとして……固まる。
耳が拾った男達の小さな声、言葉。これはアルスエルナの物とは違う。バーデルの公用語だ。
つまり、見慣れない四人は国外の人間。
しかもよくよく見ると、のんびりしたネアウィック村に於いては場違いとも思える隙が無いあのバリバリの軍服は何事だ？ 何故アルスエルナの領土内にバーデルの軍人集団が居るのか。腰帯に挿した剣からして、お茶を飲みに来た訳ではなさそうだが。
(何処の国でも軍人とかって厄介な印象しかないんだけど……まさか、シャムロックに影響が出る話じゃないでしょうね)
法に殉ずる軍人と、彼らとは正反対の立場にある怪盗。
身を置く国は違えど、天敵と言っても過言ではない相手の出現に警戒するのは当然だろう。
近くに生えていた木々の影へ素早く身を潜め、注意深く観察してみる。
「……しかしですね……」
「其方の方々が不用意に彷徨かれては、誤って捕縛してしまう可能性もあるのです。是非、ご協力願います」
「事は既に貴方方の領分を越えてしまっている。ネアウィック村だけでは、返答も行動も致しかねます」
「領主殿に伺いを立てる時間も惜しいと言っているのですよ！ 奴らは獲物と見れば何者にでも容赦無く喰らい付く獣と同じだ。村民を護る意味でもご理解いただきたい！」
ミートリッテの肩がビクリと跳ねる。
今、なんと言った？
「そうは仰られても、其方の領土内で捕らえられなかったのは貴方方の力不足故でありましょう。それを押して、我らの土地に靴跡を刻むから民を引っ込めろとは……少々横暴が過ぎるのでは？」
「その点に関しては言い逃れ叶わぬものと重々心得ております。こうして許可無く押し掛ける不調法も、立場有る身としては恥入るばかりです。それでも！ そうしてでも、奴らをこれ以上放置してはならないと真に思うからこそ、貴方方に直接請願しているのです！ 領主殿への申請と返答を待っていては、ネアウィック村は勿論、付近の領民まで奴らに略奪……惨殺されてしまう。それは我々の望みではない！」
「……っ！」
聞き捨てならない単語の連発で、ミートリッテの顔が真っ青になった。
まさか、海賊がアルスエルナの領海に居るとバ
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