Side Story
少女怪盗と仮面の神父 5
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長と話をつけて以降。
軍人達がバーデルに帰国した後、必要な準備を整えてからだ。
向こうが準備済みだったとしても、自警団側は村の人達の安全を考えて、周知を優先させたいだろうから……
展開はおそらく、最速で明日の午後一辺り。
それまでに大きな変化はない。と、思いたい。
逆を言えば、明日の午後以降は妨害者が倍増すると覚悟しておくべきだ。
両組織員の配置次第では、教会への坂道そのものが完全に塞がれる。
が、それまでの間なら、まだ余裕はある。
(二択ないし、三択……か)
二国の準備がきっちり整う前。
今日にも盗み出し、五日間指輪を隠し持って追い込まれる危険を冒すか。
あるいは、受け渡し日時ギリギリに強固な囲いを突破するか。
もしくは、まったく別の手段か。
いずれにせよ、待っているのは
(神父に村人(主に女)に、隣国の軍人と国境警備隊と村の自警団、って、どんだけ難易度上げてくれてんのよ、アイツらは! 気持ち悪い猫撫で声で強要しといて自分達の追手も撒けないなんて! 真性のアホじゃないの!?)
いや待て。
もしかして奴ら、追手に気付いていたからこそシャムロックに依頼して、本人達は鳴りを潜めたんじゃないのか?
借りやら女衆やらは全然関係なく、単に、軍人に見つかると面倒だから。
(『女衆に怖じ気づいたから』よりは、説得力ありそうだけど。海賊が軍に怯えて引っ込む? ……無いわね。うん、無い。血と肉が大好きです、って全身で主張してたし、男が相手なら、大喜びで滅多斬りにしてそう。んで、アイツらがどんな色狂いの殺人狂だろうと、今はどうでもいいのよ!)
村の門と、海を見比べて。
どちらへ向かうべきか、これまで集めた情報を頭に巡らせつつ検討する。
村を出て山を調べ、本日即決行?
後日に備え、村長の家で軍人達の動向に関する情報を収集?
それとも……
「…………はああ〜〜……」
ハウィスの無事とシャムロックの正体が海賊に握られてる今。
どっちに向かって歩いても、逃げるという未来には繋がらない。
なら、依頼の遂行に難が少ない道を選ぼう。
海賊の依頼内容は?
教会の女神像に隠した指輪を回収し、五日後の深夜に引き渡すこと。
では、地元民や軍人の誰にもシャムロックの正体がバレない、目的達成に最も近い次の行動は何だ?
「……億劫すぎる」
ミートリッテは、しばらくの間、手近な木に背中を預けて立ち。
一つの結論を出して視界を開き、顔を上げた。
きっとこれが最善策。
そして、自分自身が最も辛くなる選択。
問題は。
一日も経たずに心が折れるか砕けるかしちゃう可能性を秘めている点か。
「こんなの思い付くって、観光兼勉
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