RSリベリオン・セイヴァ―外伝SHADOW 四話「初戦」
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も、お兄がお世話になってます! その……お兄?」
「……」
しかし、弾は黙ったままだったが、代わりに間を置いてから別のことを発した。
「……IS学園へ行くんだってな?」
その一言で、厨房で食器を洗っている祖父の両手がピタリと止まった。
「え? うん、そうだけど?」
「そうか……」
「あ! そうそう? その、IS学園なんだけどね? 私、ISの適性が強く出たの。これなら、問題なくIS学園の試験資格が得られるって?」
「……」
だが、最後に弾は表情を酷く曇らせる。そして、「ごちそうさん……」と、言うとコップの水を飲み干して先に店から出て行った。
「あ、お兄!?」
「「……」」
そんな光景を、玄弖と大剛は黙って見届けていた。
そのあと、二人は食事を終えてカウンターへ財布を取り出したが、兄の友人だからと蘭や祖父がタダにしてくれた。俺たちは深々と頭を下げて礼と言いつつも、先に外で待っている弾の元へ急いだ。
その後は、弾とそれ以上口を利くことはなく、旅費も節約するためにと交通費を削って徒歩で向かうことになった。
休憩を挟みながら、エリア20を目指すがやはり一日ではたどり着くことはできず、一行はある人目のつかない公園を探すと、そこを今夜の寝床にした。
別に彼らにとって野宿など慣れているが、問題なのは警官に見つかって取り調べをされないかが心配だったのだ。
「明日は、早く起きようぜ? 日の出と共に出発ってやつだ」
玄弖が寝袋に潜り込んでそう告げると、すぐさま寝息を立てて寝てしまう。
「玄弖のやつ、本当に呑気だな?」
隣で寝袋に入っている大剛は、この後の難関を気にしながらどうも寝付くことができなかった。
「なぁ、大剛……」
その隣で寝ている弾は夜空を宥めながら大剛へ言う。
「どうした?」
「その……今日俺の食堂で、不愛想な態度をとって悪かったな?」
「何だよ……別に気にしてないって?」
それほど気にはしていないが、それでも弾はこう話した。
「俺が……家族を嫌っているところを見て、不愉快に感じただろ?」
「ああ……でも、別に俺たちが口をはさむような権利はないから」
「でも、見苦しいところを見せちまったな?」
「……なぁ? 弾」
大剛は、効いてはいけないことかもしれないと知っていても、やはりどうしても知りたかった」
「ん?」
「もしよかったら……いや、無理にとは言わねぇ。お前の、過去とか詳しく知りたいなってさ? お前がどうしてエリア14へ来たのか、その経緯が知りたくって……」
「……」
弾は口を閉じてしまったが、しばらくしてから重い口がゆっくりと開いた。
「聞いてくれるか……?」
「ああ、話してみろよ?」
「それは……」
*
半年前、弾は藍越学園へ向けて親友と共に受験勉強に励んでいた。成績は親友ともに最下
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