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俺の四畳半が最近安らげない件
ブルボン 再び 〜小さいおじさんシリーズ2
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から搾り出すような声で呟いた。俺からは、羽扇に隠れて表情が見えない。
「お、おぅ珍しいな、貴様がそんな顔をするなんて」
「義兄弟だかなんだか知らないが、国父の身内だから好き勝手されても罰することすら出来ない。口答えやら命令無視は当たり前、悪くすれば丞相の私を陥れるようなことすらする。人を見る目がある劉備殿が、優秀な人材を優遇するのは当たり前だというのに、よさそうな新人が入れば神経質に排斥しようとする。なまじ発言力があるだけに、ある意味魏延よりタチが悪い……」
「うっわ…卿、その顔はならんぞ、その顔は」
ど、どんな顔してんの!?羽扇邪魔だ、見えん!
「大体、彼らが義兄弟の杯を交わしたという桃園の誓い…あの後、彼ら何したと思います?」
俺からは羽扇に隠れて一切見えないが、他の2人がガチでドン引きしているのだけは分かった。うわぁ見たい。きっと歴史に残るようなすごい邪悪な顔してるんだろうなぁ。
「……殺して回ったのですよ、互いの妻と子をね」


―――まじかよ。


「兄弟になる前の人生をリセットするとかなんとか、そんな感傷まかせの下らない理由でそれまで慈しんできた妻と、幼かった子供達を次々と手にかけ、それを美談として酒を呑むたびに涙を流しながら語る…反吐が出ますよ」
「――ま、まぁ色々な考えの人間がいるってことで落ち着け落ち着け…と、とにかく顔を元に戻してくれ」
「全くだ。…暫くは卿の顔が夢に出てきそうだ」
「それは失礼」
白頭巾は、羽扇を下げてにこりと笑った。…どんな凄い顔で語っていたのかは結局分からずじまいだ。
「じゃ、どうしましょうかね…では魏延あたりを」
「呼ぶな!!」
2人が同時に叫んだ。豪勢が白頭巾の頭巾部分をわっしと掴む。
「馬鹿なのか!?死ぬのか!?あ奴が貴様の寝首をかかなかったのは亡き劉備への忠誠心の賜物だからな!?」
「まったくだ!本来、恨み骨髄に入るなんてレベルじゃなかろう!!」
「だって叛骨の相があったんですもの」
頭巾ごと頭を掴まれているが、全く悪びれる様子はない。
「……貴様、まじでこんなに人望ないのか。そりゃ蜀も滅びるわ」
「慕ってくれていた部下も、いるにはいるのですがねぇ…じゃ、呼びますか」
白頭巾が、懐から小さなテーブルベルのようなものを取り出し、軽く振った。すると引き戸がすらりと開いて、瞳の美しい青年が顔を覗かせた。
「お呼びでございますか?丞相様」
曇りのない、聡明な、しかしどこか迂闊そうな容貌。端正は眉を顰めた。
「あの…この童子っぽい青年は…?」
「馬謖だ、あれは」
豪勢は肩をすくめた。
「存じ上げぬなぁ」
「だろうな。…さっきのような騒ぎは起こらんだろうよ。それより、ルマンドもう一本用意しておけ」
「――あぁ」
端正が、浮かぬ顔でルマンドを取りに行っ
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