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魔法少女リリカルなのは 〜彼の者は大きなものを託される〜
第一羽 少女たちの想い
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私の疑問にアリサも分からず、すずかは制服を指さした。
誰だろうと思いつつ、なのはとその彼は私達のもとに到着する。
「はぁ、はぁ……みんな、遅くなってごめんね」
「寝坊でのしたの?」
アリサの質問に、なのはは首を左右に振って隣にいる人を指差す。
「ちょっとお話ししてたら時間が過ぎちゃってて」
「悪いな皆、大事な友達の足止めしちゃって」
隣の男性は苦笑し、後頭部を摩りながら謝ってきた。
私達より大人っぽい顔立ち、笑顔よりも真剣な顔が似合うような容姿。
だけど腰が低いというか、謙虚な態度で接する姿は私の中で好印象で、私から声をかける積極性を与えてくれた。
「なのはの知り合いですか?」
「えっと、知り合って10分くらいしか経ってないかな?」
「え?」
「もしかして……」
彼の発言に驚く私を置いて、はやてが隣で不敵な笑みを浮かべながらなのはと彼を見つめる。
「なのはちゃんの彼氏ですか?」
「ふぇ!?」
「えっ!?」
「なっ!?」
「わぁ〜!」
私だけじゃなく、なのはやアリサも声を上げて驚く。
すずかだけ楽しそうな驚き方だった気がするけど、今はそっちまで思考が追いつかなくて。
「なのは、彼氏いたの?」
「ううん! 違う、違うよぉ!」
首を左右に振り、両手をパタパタと振りながら否定するなのはに、私は疑いを一切持たず、はやての方を睨む。
「はやて、冗談が過ぎるよ」
「え〜、そっちのほうが色々面白いやん」
「私は結構困ってるんだけど……」
すぐに誤解は解けたみたいだけど、なのははぐったりとした様子でこうべを垂れる。
が、その隣にいる彼は少し暗い表情で俯き、
「そんな……俺との関係、冗談だったのか」
「ええ!?」
冷ましている途中の熱い油に、水を注いだ。
なのはは顔を真っ赤にし、彼の方を見つめると、彼はいたずらっ子のような表情で舌をぺろっと出していた。
「も、もぉ!」
羞恥と怒りからか、なのはは彼の胸をポコポコと殴りつける。
彼は痛そうというよりも面白いと言った表情で笑っていた。
そんな二人の姿は、仲良し兄妹が戯れあっているようで……戯れあってる、みたいで……。
(あ……れ?)
二人の光景を見た私は唐突に、懐かしいと感じた。
この光景を見たのは、決して始めてじゃない。
むしろ二年前までは当たり前の光景だった。
(ああ、そうか……あの人に、よく似てるんだ)
大人っぽい姿や、こうして見せる子供のような笑顔。
周りをビックリさせて、それを楽しんで、でも不快感は与えなくて……
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