第1話
ep.008 『赤く染まる幼い少女編 6』
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お帰りです。」
「おう。ただいま、御臼ちゃん。」
そして、起き上がった御臼が目を擦りながら、
「叶世先輩がとても怒っていましたよ。任務自体は成功だそうですが、ほとんど失敗なので給料アップはないそうです。」
「いや、俺給料はどうでもいいからね。」
「どうやら、もう大丈夫みたいだね。」
カエル医者が、横開きの入口を開ける。
振り返り、
「詳しいことはまだわからないけど、数日程で退院できると思うよ。」
「良かったですね、叶先輩!」
御臼が笑顔だ。久々に見た気がする、素の笑顔だ
「そうだな。ありがとう、御臼ちゃん。」
4日後。
第0学区、目的区『fortress本部』。
扉の前。夢絶が入る前にひと息吐く。
「ああ、帰ってきた。やっとと思えてしまう。」
扉を開ける。
「ただいま、やっと戻ってきたぞっ!」
「あ、お帰り。お兄ちゃん。」
入ってすぐに、サプライズが待っているのはよくあることだが、こんなサプライズは要らないと思う。
「え、あ。・・・・・・・・・・・・・、誰?」
つい聞いてしまった。4日前に会っていることに気づかなかった。あまりに立前との戦闘が記憶に強く焼き付いたのだろう。
「酷すぎます、叶先輩! 入院したショックで記憶でも跳びましたかっ!?」
「え、いや、マジでいつ会ったっ!?」
必死。本当に記憶から抜け落ちている。
「もう! あの地下まであった実験施設で見つけた女の子です!」
と御臼ちゃんが女の子の肩を持ち大きな声で怒る。
「う、う、ううぅぅぅ〜。」
目に涙が溜まってきている。危ない。
「ごぉ〜めん、ごめん! 冗談だよ冗談っ!」
と夢絶、必死の説得。
「ホントに?」
(ダメだ、罪悪感がすごい。嘘ってこんなにも重たかったっけ?)
「ホントホント、だから泣かないで。 お願い。」
「・・・・・・・・・・う・・・・・・、うん・・・・・・・・・。」
「まだいろいろしなくちゃいけないことがあるので、シーちゃんは連れていきますね。」
「え、シーちゃん?」
と、いつの間にか声に出ていた。何かが引っ掛かったので言ってしまったのだろうと後になって思う。
「はい。 この子、自分の事を『シ 296』って言うんです。」
(あれ?)
不快感が出てきた。
「名前を聞いたらそう言ったし、実験されていたからなのか自分の名前がなくて、囚人番号みたいな名前
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