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ハイスクールD×D 〜聖人少女と腐った蛇と一途な赤龍帝〜
第2章 滅殺姫の憂鬱と焼き鳥の末路
第43話 波乱の幕開け
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 火織が焼き鳥の首を跳ね飛ばした瞬間グレイフィアさんのアナウンスが流れ、俺達の視界は光に包まれ気が付くと部室に戻っていた。今度こそ、今度こそ俺達は勝ったのか。

「イッセー、その腕……!」

 その声に振り向けば部長が口元を手で抑えて俺の左腕を凝視していた。まあ仕方ないかな? なんたって俺の左腕は肘から先が赤い鱗に覆われ、指先には鋭い爪が生えた龍の腕になっちまってるんだから。

「あの力を得るためにドライグに支払いました。お得だったんですよ。たったこれだけであんなにすごい力が使えたんですから。まあこれだけじゃあいつは倒せませんでしたけど、それでもおかげで部長を助けられました!」

 そう言って俺は笑うんだけど、部長はさらに泣きそうになっちまった。ぶっちゃけ半分以上は火織に追いつくための自己満足でしたことだし、部長がそこまで責任感じる必要はないのに。

 それにやっぱ部長には恩があるからな。悪魔にしてくれたおかげで火織たちと長い間一緒にいられるようになったんだから。だからそれを考えれば左腕一本なんて安いもんだ。

 それから個人的にも部長には幸せになってほしい。ちゃんと好きな人見つけて、恋愛して、それで結婚して欲しい。やっぱ好きな人と結ばれないなんて間違ってるよな。

「……今回は破談に出来たわ。でもまたこんな事があるかもしれないのよ? こんな事を続けてたらそのうち……」

「大丈夫ですよ。火織が交渉してくれたお陰でもう結婚に関しては実家の方に何も言われないようになるはずじゃないですか。それにもし何かまた言ってきたとしても部長も火織たちの強さ見たでしょ? 俺がまたこんな無茶しなくても部長を守れるほどの力持ってたじゃないですか。だから大丈夫ですよ。でも……」

 そこで俺は決意を新たにする。

「この先また同じようなことがあれば今度は左腕の残り、その次は右腕、その次は目を支払います」

「っ! やめて! どうして、どうして私なんかのためにそこまで……」

「私なんかのためなんて言わないで下さい。俺はそれだけ、部長には感謝してるんです。何度でも何度でも部長を助けに行きます。どれだけの代償を払おうとも。俺はリアス・グレモリーの兵士(ポーン)ですから」

 そう言った瞬間部長の目から涙が一筋流れ、そのまま部長は俺に顔を寄せてきて……って!?



チュッ



「……どうして避けるのよ」

「いや『どうして避ける』じゃないですよ! いきなり何するんですか!?」

「助けてくれたご褒美に私のファーストキスあげようと思ったのに。日本では女の子が大切にするものなのよね?」

「ファーストキス!? いやそうですけどなら尚更そういうことはほんとに好きな人にして下さい!」

「……むぅ〜
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