第一海
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も、綾川がいるということは他の同型艦もいるということ。そうなってくると脅威だね。
今日の電探の反応は四隻だったということは綾川だけではない。
もう近くまで迫っているかもしれない。そうなって来ると状況は最悪だ。
私たちがとるべきなのは一刻も早くこの海域から離脱すること。
幸いにもここは鎮守府からも近い。
撤退しているところが鎮守府に伝われば支援してもらえるはず。
「綾川ちゃん!何とか言ってほしいのです!!」
『・・・』
あれ?なんか様子がおかしくないかい?
彼女たちに敵対の意思があるならば私たちへの攻撃があれだけのはずがない。
それでも先ほどの魚雷攻撃からは何の攻撃も来ていない。
もしかして!
「みんな、この先に進むよ」
この先に彼女たちが知られたくない何かがあるから私たちを足止めしているに過ぎない?
そう考えれば、彼女たちが攻撃してこないこともわかる。
でも近づくといえば彼女たちも何らかの行動をしてくるはず。
それを見てからでも(本当に敵なのか)判断は遅くはないはず。
「でも、ひびきちゃん。あかつきちゃんといかづちちゃんは中破しているのです!」
「それでもここで確認しておかないといけないことなんだ」
「響姉、それは大事なことなの?」
近海でもまだ知らないところがあるかもしれない。
それがきっと彼女たちが隠していることに違いない。
「響!行くわよ!」
「暁姉!」
「あかつきちゃん!」
いつもなら戻ろうという暁が響きに賛同したことに驚いているようだけど、暁もそれなりに覚悟しているようで、いつも以上に真剣なまなざしであった。
それにより先ほどから静かだった無線から「プツン」と通信が切れる音が聞こえた。
「わかったのです」
この奥にあるのは大戦時に多くの軍艦が沈んだ魔の海域。
でも、そこに集まっているということはそこには絶対何かある。
綾川の行動がそれを絶対のものにしてくれた。
それにしても「人類の味方でもない」か。
「第一艦隊第一水雷戦隊出撃します」
『第六駆逐隊が進撃を始めました』
はぁ〜、綾川は失敗したのか。やっぱり第六六駆は信用できないね。
今度は世古にでもやらせるかな。
「撤退するよ!」
綾川は艦娘を攻撃できないけど、世古は攻撃できるからね。
今日みたいなことにはならないね。
「世古!千鶴たちを連れて泊地周辺を警邏して」
『了解です』
さて、綾川の処分はどうするかな。
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