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逆襲のアムロ
30話 調整者 3.5
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アムロはコックピット内にあるタオルで汗を拭った。

「ふう・・・、流石赤い彗星だ。危うくやられるところだった」

別のワイプにシャアが映し出されていた。その表情は不満足気だった。

「しかしできなかった。アムロの方がサイコミュとの連動制で上回っていたんだろう」

アムロは軽く手を挙げて否定した。

「いや、この度のテストには制限が掛かっていた。シャアが直接仕掛けて来たらこうはいかない」

「そうだな。ファンネルだけで君を討とうとは驕りだな」

「ああ、オレもそれ程腕がない訳じゃないからな」

アムロの自賛にシャアが笑った。

「ハッハッハッハ、連邦の英雄が腕がない訳がない。さて、オクトバーさん」

「なんだい?」

「次は模擬戦でいいのかな?」

オクトバーが肩を竦んで賛同した。

「まあ、そうなるだろうねと考えていたのだが両本営から帰投願いがきています」

アムロはモニター越しにこちらに近付いてくる赤い機体を見ていた。とても違和感があった。過去宿命の対決で命のやり取りをし合っていた両機体が今は並列して宇宙に浮いていた。

シャアはそんなアムロの感慨をいざ知らず、オクトバーの帰投願いの事について話していた。

「事態は差し迫ってきたということか」

「そうですね。ティターンズが地球軌道上で集結を図っています。議会開催を皮切りに何かを起こすと噂されています。それがスペースノイドの根絶やしとか・・・」

オクトバーが不安そうな顔をした。宇宙に住まうものがティターンズの無差別虐殺を仕掛けてくると巷では専らの噂だった。
あくまでも噂だが、宇宙にいるものには戦々恐々な話だ。スペースコロニーはとても不安定で脆い住まい。もし強固ならば7年前のジオンのブリディッシュ作戦やら成功はしなかっただろう。

「取りあえずは一度メンテナンスに入れるからご両人とも工場へ戻って来てください」

「ああ、分かった」

「了解した」

ガンダムとサザビーは揃って工場へと帰投していった。


* インド洋上空  ラー・アイム艦橋 3・6


シナプスはトリントン基地よりブレックスを乗艦させ、一路ダカールへと進路を取っていた。
艦橋にはシナプスと旧アルビオンクルー、ブレックス、コウ、キース、ルセット、ファ、そしてカミーユと皆集まっていた。

トリントン基地を飛び立ってからも、ティターンズの妨害が続いていた。
ヘンケンのネエル・アーガマ隊がアジアを席巻し、ティターンズの勢力圏を制圧しつつあるとは言えど未だにティターンズは健在だった。

今日もまた敵襲の警報が鳴った。トリントンからほぼ敵襲の繰り返しだった。飛行機の時が有ればモビルスーツの時もあった。今回はちょっとスパイスが効いた襲撃だ
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