30話 調整者 3.5
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てな。君も経験からこのような世界が望ましいと思ったのだろ?」
その者が微笑を浮かべた。ゴップはその表情に恐怖を感じた。
「私は既に破綻した存在さ。ただ仕方なく挑戦状を叩き付けているに過ぎない」
「だ・・だが君はまだ表舞台に出ないのか?」
「・・・」
その者は何も語らなかった。ゴップは背中をソファーに預けた。
「取りあえずは真の連邦憲章の公表でティターンズの地球至上主義に終止符を打つ。エゥーゴも他勢力も大義名分を失う」
「・・・」
「しかし、彼らは決死の覚悟で戦うだろう。議会の評決を待たずして一糸貫徹だ。双方ただでは済まないだろう」
「エゥーゴ、ネオ・ジオン、ティターンズそして・・・」
「そして?」
「フル・フロンタル、シロッコ・・・。彼らの動向・・・局面を見てからで幕を開けるとしようか」
ゴップは身震いをしていた。どんな大物で手強い傑物たちを前にしてもこの者の異端さには遠く及ばないとゴップは感じていた。
* 月 フォン・ブラウン市 アナハイム工場訓練場 3.6
アムロはνガンダムを操り、月面での重力下実験と共にサイコミュのテストをこなしていた。
そのテストとは人為的に動く小さな障害物の除去とそれから発する電磁波の回避行動だった。
因みにこの試験時のガンダムにフィン・ファンネルの未実装状態だった。
その人為的に動くモノがこの世界で特級の技量を持つ赤い彗星が操るファンネルだった。
ガンダムが月面擦れ擦れを飛行していた。レーダーは遮蔽物を苦手としていた。それ故サイコミュという代物がどう発揮できるかで目標の識別感知に役立てていた。
シャアのファンネルがこれみよがしにアムロの後方へ回り込んできている。
それを感じ取るアムロは舌打ちをしていた。
「ちぃ・・・シャアは手強いな。常に後手に回る」
アムロは移動しながらもビームライフルでシャアのファンネルを狙い定めた。勿論模擬戦ということで同じく電磁波を直撃で物体が捉えたらば撃墜と見なされるシステムを導入していた。
追尾してくるファンネルは3機でそのうち2機を撃墜した。
アムロは後ろからだけでなく前からもプレッシャーを感じ取った。
「挟み撃ちか。シャアめ」
アムロは月面飛行を止め、上空へ飛び逃げた。追尾するファンネルと待ち伏せたファンネルがガンダムを追った。多少の距離感があったが、感覚でアムロは残りのファンネルの位置を掴み取った。
「3機か。ファンネルの有効射程よりビームライフルの方が上だ」
アムロは全てのファンネルをピンポイントに撃ち抜いた。
そこでテストが終了した。モニターのワイプにオクトバーが映し出された。
「アムロさん、お疲れ様です。シャアさんも」
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