30話 調整者 3.5
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異常事態さ。特攻などの自爆行為、常人では考え付かないことが起きている」
「それって今の戦争とどう繋がるわけ?」
カイはミハルに前の信号を指差した。既に青になっていたからだった。
ミハルはギアを入れて、車を走らせ始めた。
「今までは船や戦闘機、そこからモビルスーツが登場し、ニュータイプのようなエスパーが生まれた。そしてサイコミュだ。今や人類はある思想の終着点を目指そうと動いている。しかもたかが7年でだ」
「それって良くないの?」
「これがある超越した力の作用によるものならばな。オレはリアリストだが、それでも運命はあると思う。お前とこの場に居ることも理由があるわけだからな」
「理由って・・・私を助けたからじゃないの?」
「違うな。オレはあのホワイトベースに居て、助けることができたのはホワイトベースに居たからだ」
ミハルはカイの言ったことが少し不明瞭だった。カイはそれについて補足した。
「あの艦に乗っていたからオレはお前を助ける力を得れた。あの艦の力は正に特殊で違和感を今になって感じている。それはアムロが居て、シロッコが居た。奴らを始めとした艦のひとたちがオレの視野を拡大してくれた。これも割と不自然だ」
「何故?あの艦のひとたちは皆器量があって落ち着いていたよ」
「それさ。ほぼ10代のクルーだ。そんな落ち着き払った少年など可愛げないだろう。今振り返れば違和感だ。結論言えば、違和感から導かれたオレらや他の奴ら、組織など違和感の極みだな。ミハル、お前はゴップの草だろ?彼は何を本当は求めている?」
「草が話すと思う?・・・フフフ、冗談よ。カイ、貴方の言う通りよ。均衡の維持、多様な思想が共存する世界。ある一定の解決は見ても、完全なる解決は望まない。それが世界の成長に繋がるのよ」
「ふーん。本当にそれだけか?オレの印象が、ゴップに対して何かをしこりがあるように感じる」
ミハルがキョトンとした。
「他に何があるの?」
「今はわからん。だが勘が告げているのさ。ひっくり返してやろうと思ったのだが、オレも含め既に返された後だった、それとも見えない糸があるのかもしれない。それが世界の違和感の正体かもしれん」
* ゴップ邸 同日22:30
ゴップは別室にてある者と話していた。
互いに高級な1人用のソファーに腰かけていた。ゴップはバスローブに身を纏っているがもう一人はチノパンにワイシャツ一枚というラフな服装だった。
「・・・ここまでは君のシナリオ通りかな?」
「いや、多少なりとも人の移り変わり往く心に世界を任せている訳だから、そこまでは予想してはいないさ」
「君の導くままの流れで私もこの地位まで来たのだ。あのビストの先を往くことができた。調整者たる立場を得
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