30話 調整者 3.5
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ラス憲章の利用をティターンズ、エゥーゴを差し置いて、利用する上で何をする気でいるのか?
ネオ・ジオン、カラバという組織もあるが、彼らがゴップの期待に応えることが出来る可能性は少ない。憲章に対する自分の考察とゴップの想いの共通項は「人類の次なる挑戦」だ。
この戦争もある過渡期に来ている。大体の思想の構図が定まってきたとカイは考えていた。
ジオンは唯のきっかけに過ぎなく、連邦という大所帯はこのように内紛はそのうち必須だった。
鎖国か開国か、ニューディール政策・ブロック経済かTPPか。人類はフロンティアを見ては価値判断を現在決めかねている。
もう一度7年前からおさらいした方が良いのかも知れないとカイは考えた。
繰り返してきっかけはジオンの独立戦争。そこより波及した地球対宇宙の構図。技術の発達とゴップの栄達。
「ゴップは食えない狸だ。彼は何かを成そうとしていることは確かだ。それも2大勢力を差し置いてだ」
ミハルは複雑な顔をした。行きと帰りでカイの印象が大違いだった。
「何故議長を警戒するの?あの会談の場では終始和やかで議長の了承に貴方は安堵していたじゃない?」
「ああ。車に乗ってから彼の言葉を反復したらある事が浮かんだ」
「ある事?」
「お前だ、ミハル。いつからだ?」
ミハルは真顔になり、進行方向の道を見据えていた。
「・・・4年前のニューヤークでのイセリナさんの紹介よ」
カイは記憶を辿った。ニューヤークでのガルマの地盤をイセリナがフォローアップしていた当時、ミハルらの面倒を彼らが見てくれていた。ガルマはゴップと繋がっていたとは、可能性は政治家だから無きにしも非ずだとカイは思った。
「ガルマはてっきりエゥーゴ寄りだと思っていた」
「そうね。少なくともティターンズではないよ。彼はジオンよ。宇宙に住む者のことを考えているの」
「何故ゴップと?」
ミハルは交差点で赤信号を見て、車を減速させた。
「シロッコのせいね」
「シロッコ?」
カイがより一層怪訝な顔をした。
「貴方が救ってくれてから彼が私のトラウマなのよ。女の恨みは倍にして返す」
ミハルの顔が強張っていた。カイが脇目でそれを見て顰めていた。
「・・・ったく、オレも注視していたんだがな。無茶しない様にな」
「私は守ってらればかりよ。そんなんじゃ私の悪夢を払拭できやしない」
「・・・焦りは迷いを生む。オレがゴップを選んだのも考えて見れば、お前の誘導もあったのかもしれない」
「そんなこと・・・」
「無意識の自覚さ。行動した結果に真理がある。考え過ぎていいのかもしれない。こんな異常事態ならばな」
「異常?」
「世界の違和感さ。歴史的にも長く続く戦争状態は
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