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逆襲のアムロ
30話 調整者 3.5
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「オレは物書きを始めてから更に性格が悪くなったと思う。その点に付いては今争ってる奴らや傍観している中立派閥と同義だ。捻くれ過ぎてサッパリしてしまった。オレの思う事もきっと死人は出るような代物だ。偽善者を気取る気はないからな」

「でも、私は自覚が有っていいと思う。先の話からだけど、多数決で根本的な善悪を決めてきたと言ったじゃない。やっぱり殺しは良くないと思わないと、この8年近く続いた戦争を止められないと思う」

カイは今度はシートより背中を離して前のめりになった。

「そうだな。今競っている輩の気付いていない、いや無視や見ようとしないその根本的な悪を戦場に居ない人たちは(こぞ)って嫌うはずだ。生者の願いは・・・」

「生きること」

「ああ。追加、人は欲深いものだ。生きがいを見つけることだな」

「それが多様な生き方ね」

「それを一から導く必要などないんだ最初から。ただ土壌を作ればいいだけ。指導者がよく無責任と言われるが、学ぶ者が能動的にならなければならない。その事を放棄する方が無責任なんだ。遠くでのテロや事件、事故、全て対岸の火事でしか思わないことがそうだ」

「物事抽象的なことでいいの?」

「敢えてはぐらかすわけ。人類の総意も本能的なもので良い」

「それとガエルさんの土産とゴップ議長がどう繋がるの?」

「凝り固まっていない素直な思考論者なゴップにありのままを伝える。それで事足りる」

そう2人が話しているうちに陽が傾き地平線へと落ちかけそうな時、ゴップ邸へカイとミハルの車が入っていった。

ゴップは休憩を挟みながらも朝から晩まで面会の相手をしていた。
議会開催前の風物詩であったが、ゴップは毎度来客する者達の俗物加減に嫌気を指していた。

「・・・次で最後か・・・」

ゴップは応接間の最高級のソファで時折姿勢を変えながらもマメに接客していた。
そして執事が最後の来客を迎え入れた。

「・・・ああ、君らか」

カイとミハルが応接間に入るとゴップがうんざりしている顔を2人とも感じ取った。
執事より「所要時間は10分です。主が下がれと言われればその場で会談終了となります」と2人に言い、執事は応接間より出ていった。

「議長閣下、座ってもよろしいですか?」

「ああ、座りなさい」

カイとミハルが座るとゴップが愚痴り始めた。

「全く権欲者は利益ばかり求めて、肝心な所を見ようとしない。社会だ。奴らは自分が富めば他が良いと抜かしている。彼らの存在意義は彼らの下によって支えられていると思わずにだ」

その愚痴を聞いたミハルはゴップの人間性を改めた。政治家で、それも結構洗練されたものだと。
カイは「仰る通りです」と軽く相槌をして本題に入った。

「早速です
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