30話 調整者 3.5
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* ダカール市 郊外 高級住宅地 3.5
カイはミハルの運転する車でゴップ議長の居る邸宅へ向かっていた。
数日前のアポイントでゴップとの会談に難なく漕ぎ着けていた。
しかしながら会談時間はわずか10分。
議会開催前の為、世界から有力者がゴップに根回しや協力を求め、会談の予約は過密となっていた。
「さすがゴッドファーザーと呼ばれるだけあるな」
とカイは評した。ゴップは連邦軍部でもコリニーと同等の発言力を有しており、コリニーでもゴップに気を配っていた。ゴップはコリニー以上に政界への繋がりが強く、それは軍部に在籍していた当時からだった。
その成果が連邦議会議長という座を有していることに尽きた。
中立派と呼ばれるゴップ派閥は席数でもコリニー・ゴップ・その他で4・3・3という派閥の比率だった。
ゴップの意思が政治を左右しているとも揶揄されるほど、絶妙な均衡を勢力で保持していた。
当の本人は、「世界が良くなるならば・・・」と傍から見ると適当な政治を助成していた。
カイは幾度の対談でゴップの人間性を垣間見ていた。
彼は達観していたとカイは思っている。
戦争初期のV作戦の有効性。政界へ転進する段取りも戦時中でも怠らず、コリニーより先に転じては既に政界のドンの座の確保に勤しみ、コリニーが転じた時には既に重鎮。
彼は実はこの事態を当初より予見しては見抜いていたとカイは推測した。彼はその位置で最悪の事態を促さない様に世界を守護していたのではないかと。
「カイ。ゴップ議長は中立派閥の大物だよ。私もガエルさんと同様にバウアー氏が良いと思う」
「ミハル、それじゃあダメだ。オレらジャーナリストは終末でも世界にありのままの情報を伝える義務がある。この話は俗物が関与して良いレベルの話じゃない」
「今までエゥーゴ寄りの貴方が?」
カイは助手席で鼻を鳴らして、ミハルに言った。
「フン、ティターンズの様な帝国主義的考えは報道の自由を奪うからエゥーゴの民主派閥運動をクローズアップしただけだよ。それでも良し悪しを伝えていたよ」
カイは武力で訴えている両者を批判していた。已む得ない抑止力など詭弁だ、互いのイザコザで苦しむのは民衆であって、それに政府が無関心、変えられるのは世論だとカイは地球圏に住む者たちへ常にメッセージを流していた。
「ガエルが持ってきた情報は発信元が最重要だ。バウアーやコリニー等のような対立派閥でなく、それを両天秤に掛ける奴が発信してこそ情報の最大限の力を発揮できる」
「・・・カイ。無思想な議長に何を期待しているの?」
「無思想なもんか。彼は一環してしていることがある」
「何なのそれ?」
「世界の均衡の維持だ。彼は達観している。人の可能性は一つの思想に留
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