第45話 会談
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り以蔵と呼ばれた土佐の岡田以蔵」
「なんだって!!」
勝は驚きのあまり立ち上がった。
「そして、もう一人は、鳥羽伏見であった長州の喧嘩屋と呼ばれた高杉晋作」
「ば、ばかな。そんなことが」
最早、勝は言葉を失い始めた。
「どちらも辛うじて勝ちを収める事が出来ましたが、とんでもない化け物でした」
今でも思い出すと背筋が凍る。
「そして、最後は」
「わかっているよ。土佐の坂本龍馬だろ?」
勝は土方の言葉を遮った。その瞬間、土方は勝が坂本龍馬に会った事があるのだなと悟った。
(龍さん、お前さん、今、江戸でなにするつまりだい?)
勝は天井を見つめた。
「勝先生、貴重な時間を取っていただき、忝い。もはや、貴方様に会うことはないでしょう。これにて、御免」
土方は深々と頭を下げ立ち上がった。
「ま、まちな、土方君。その化け物達の参考になるかわからないが、ある男を紹介するよ」
立ち去ろうとする土方の背に勝は言葉を投げた。
「ある男?」
土方は振り返ることなく言った。
「あぁ。おいらも好きじゃないし、その男もおいらを毛嫌いしている。もし、おいらがその化け物達の事を聞きに行っても門前払いだろうぜ」
勝は片方の口角を上にあげ笑った。
「して、その御仁とは?」
土方は肩越しに勝を見た。
「芝新銭座で英学塾っていうのを開いている福沢諭吉って野郎なんだが、参考になるかならねぇかはわからねぇが尋ねてみるといい」
土方は何も言わず礼をすると勝邸を後にした。
(福沢諭吉か)
土方は空を仰いだ。
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