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ソードアート・オンライン〜隻腕の大剣使い〜
番外編隻腕の大剣使いと愚かなる殺戮者2
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ら右斜め上向きに大きな一太刀を入れる。

「ぜやぁぁぁぁぁ!」

「おっと!」

第一撃はスイが身体の重心を左に仰け反らせることで見事に避けられた。続いて第一撃の反動を利用してそのまま左足で蹴りを入れるが、スイの剣の側面に受け止められる。こいつーーー

「やっぱり強い・・・!」

「そいつはどうもぉっ!」

オレの呟きにスイはオレの左足を受け止めた剣で薙ぐようにオレを薙ぎ払う。薙ぎ払われたオレは空中で体勢を立て直し2メートル程地面を滑り着地する。

「今度は俺からいくぜ」

「ッ!!」

スイの声を認識した瞬間、オレの目の前に剣が見えた。それに対しオレは《ドラゴンビート》を《ダガー》のように逆手に構えそれを防ぐ。
重いーーー剣の重さだけじゃない、スイの筋力値の高さがこの一撃の重さで解る。オレはこの重さを利用して《ドラゴンビート》の角度をずらしスイの剣を落とす。すかさずオレはーーー脚に青白いライトエフェクトを纏い、《体術スキル》を発動する。

「《竜王拳》!《竜の樋爪》!」

蹴り上げたその武脚は強靭なる竜の樋爪の如く。極めた《体術スキル》と筋力値、それに加えて速度を得たオレの武脚を受け止める事は出来ないーーー

「って、思ってたんだけどな・・・」

「悪いな・・・止めちまった」

見事に受け止められた。それも、ありえない方法で。スイの左手にはーーー二本目の剣。
SAOで剣を二本装備する事はシステム的には不可能のはずだ。《片手剣》だって一度に装備出来るのは一本まで、他に装備出来るのは盾のみ。しかも左手の剣もーーー見たところ《両手剣》。本来は両手が塞がる武器だから二本装備なんて尚更無理だ。

「《剛波剣》っていうスキルでな、《片手持ち》と《剣技解放》スキルを《完全習得(コンプリート)》してないと使えないスキルなんだ」

まあ取得条件は俺にも解らないけどな、と言葉を続けてスイはケラケラと目の前で笑う。どんなスキルだよ。どんなチートだよどんなチーターだよ。こいつオレの《バインドマント》以上のチート能力持ってんじゃん。ビーターよりチーターやってんじゃん。オレとキリトの覚悟と友達返せこの野郎。

「オレに左腕があったら是非とも欲しいわ、《剛波剣》」

「俺も驚いたぜ、《竜王拳》・・・だっけ?すごいな、《殺戮者スキル》解除してたら大ダメージ間違いなしだ」

お互いのスキルは強力な物だ、だからお互いが羨ましくなる。少なくとも左腕のないオレには尚更だ。ーーーいや、その理屈は少しおかしいかな。オレがベータテスターになって、SAOに来た理由は左腕が欲しかったから。元々VRMMOというジャンルには興味があった。だからベータテスターの抽選にも応募して当選したから問題なくベータ版SAOにも入る事は出来た。
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