第17話 何時か言えなかった言葉
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。髑髏の仮面も赤い外套赤いフードも身に着けずに。
「モモ!?気絶してる?いや、死んだのか!?まさか襲ってはいまいな!いや、それよりもお主、魔術師姿でなくてよいのか!?」
あまりに唐突に表れたせいか、鉄心は混乱しながらも怒涛に詰め寄って来た。
その事に士郎は苦笑いを浮かべながら鉄心を落ち着かせて、事のあらましを話す。
「――――と言う事です。川神の最高速度を出せばあの一撃は躱せたでしょうが、瞬間回復があると高を括りつつ興味心を優先したのでしょうね」
「・・・・・・・・・」
鉄心は士郎の話を全て聞き終えると、過去最高の渋い顔をした。
百代の精神の在り様は前々から危険だと見抜いていたが、百代に勝てるような武人が早々簡単に表れる訳がないと思うと同時に、孫可愛さに精神鍛錬への強制を先延ばしにしていたのだ。
「精神鍛錬が不足なのでは?」
矢張り言われた。
しかも簡潔なひと言に纏められているだけあって、効果は抜群だ。
加えて言えば、早朝に衛宮邸に通わせる了解を貰いに行った時も指摘されていたのだ。
正直、言い方が雷画に似ていたと言う事もあって内心でムッとしたが、事実なので検討しておくと言うその場しのぎに近い返答をしていた事もあって、余計にダメージが大きい様だ。
その為鉄心は、過去最高の渋い顔をさらに際立たせた。
そこである不安を聞く。
「今回の件はその・・・・雷画にも言うのかのぅ?」
その様はまるで、悪い点数を取ったテスト用紙を隠したことがバレて、恐る恐る怒っていないかと母親に尋ねる子供の様だ。
勿論士郎は鉄心に容赦なく言う。
「気配で感じましたが雷画の爺さんも最後の方は来ていたようですから、勿論報告しますよ。当然でしょう?まさか、川神院総代ともあろう御方が、友人に嫌味を言われる程度の心の耐久値も無いんですか?何度もしつこく言われるのが嫌なのでしたら、これを機に反省してください」
容赦なく、そして畳掛けるように言われた鉄心は押し黙る。
反論の余地など無く、ぐうの音も出ないとはこの事だ。
この後、鉄心は雷画への報告を中断してもらおうと言う狙いで態と気まずい雰囲気を作ったが、結局報告されてしまい、後日に予想通り雷画から嫌味を言われる事に成った。
−Interlude−
「シロ兄まだかなぁ」
士郎が出立してから既に一時間以上経過していた。
その間、ずっと心配しても無駄だから部屋に行って勉強でもしていようと言う話になったが、結局集中できずに居間に3人揃って集まっていた。
「確かに遅くはありますね」
「あれから暫くして何度も轟音を聞いたが、響いてくる距離的にはそこまで遠くない筈だしな」
小雪同様、冬馬も準も
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