第17話 何時か言えなかった言葉
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画」
「・・・・・・そこの雇われ風情、誰に口を利いている?儂は天下の藤村組総組長ぞ!雇い主なければどこぞの野良犬風情が、分を弁えんかい!!」
「っ!」
雷画の怒号にヒュームは一瞬面喰らうも、自分を見下す言い分にキレそうになる。
しかしそれをクラウディオが何時もの様に止める。
(抑えて下さい、ヒューム)
「申し訳ありませんでした、総組長殿。ですが我々も九鬼財閥を代表して此処に居るのです。ですので如何か――――」
「物分りが随分と悪くなったようだな、序列三位。儂は分を弁えろと言ったんじゃ。次に同じ言葉を吐いたら儂にも考えがあるぞ・・・!!」
『・・・・・・・・・』
雷画の目を見る2人は、それが脅しでは無いと直に理解した。
恐らく考えと言うのは、今も直解消されていない藤村組と九鬼財閥との冷戦状態を悪化させると言うのだろう。
日本国外では既に以前の業績を取り戻したそうだが、日本国内では未だ伸び悩んでいる上、関東圏内では未だ下回っている。
それは単純に不信感の問題である。
逆に言えばそれほど関東圏内では藤村組の影響力及び、信頼度は高いと言えるのだ。
日本全土の大地主や有力者達とのパイプも太い。
その為、例の計画発動も含めて藤村組との和解は優先度も高く、必須事項と言えた。
しかしそれでも今の状態が続くのは、藤村組にとっては良い事ばかりでは無い筈だった。
少なくとも九鬼財閥を邪魔に思っている他の大企業の上層部などから、足並みを揃えてさらにダメージを与えないか等の非常に面倒な打診も受けているのだ。
そんな打診を雷画自身は、酷く目障りに思っているだろうと予想出来るのだ。
だがそれを長引かせても良いと言っている。場合によっては、その打診を受ける事も検討すると言っているのだ。
つまりそれだけ英霊を討伐する藤村組の切り札であろう“何か”の事が、大切なのだろうと窺えた。
2人にとっては取りあえず、それだけが解っただけでも収穫と我慢する事にした。
「了解しました、藤村雷画殿」
「重ね重ねの無礼、申し訳ありませんでした」
「・・・・・・去れ」
この雷画の言葉に、2人の老執事達はその場から即座に去って行く。
それを見ていた部下たちは、正直呆れていた。
「そ、総組長」
「あそこまでしては勘繰られるのでは?」
「構わん。周りからどれだけ調べても対策はあるわい。それよりも利信、結界内の浄化をして来い。相当穢れておるじゃろうからな」
「分かりました」
雷画の命令に、即座に了解して行動に映る。
念のため、2人は他に誰か来ないか利信が戻るまで警戒し続けた。
−Interlude−
血斧王を下した士郎は、投影で造った布を切られ
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