第百話
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た。レインがサイクロプスに肉迫すると同時に、驟雨のようにソードスキルの雨は止み、サイクロプスは連続ダメージにたまらず膝をつく。
「やぁっ!」
まずは空中に飛んだレインの四連撃ソードスキル《バーチカル・スクエア》が、炎を伴いながら膝をついたサイクロプスの目に直撃する。使っているのが二刀流とはいえ、キリトのように《スキルコネクト》は使えず、そのままレインは重力に従って落下していく。
「今度はボクの番だ!」
だが息もつかせぬ間に。太陽の届かない場所での飛翔という種族特性を活かし、ユウキがサイクロプスの目がある場所へ飛翔する。その細剣と見紛うような鋭い刃には、既に業火が燦然と輝いており。
「やぁぁぁぁぁぁ!」
十一連撃オリジナル・ソードスキル《マザーズ・ロザリオ》。OSSシステムが導入された直後からユウキが編み出した、この世界における最強のオリジナル・ソードスキル。その九連撃がサイクロプスの弱点に叩き込まれていき、翼が活動限界を迎えてユウキが地上に降り立った瞬間、サイクロプスの身体はポリゴン片となって消滅していく。身体中に突き刺さっていた武具がまるで墓石のようで、サイクロプスの消滅とともに消えていく。
ただポリゴン片となって消滅していくのとは違い、アイテムストレージに収納されるようなそれで、つまりあの武具たちは――
「イェイ! ユウキちゃんナイス!」
「イェイ!」
ユウキがそこまで考えていたところで、二刀を鞘に仕舞ったレインからハイタッチされる。ユウキは思考を打ち切りながらそれに応えたが、やはり今の技は気になるところであり。
「ねぇねぇレイン。今の何なの?」
「うーん……秘密。私の必殺技、みたいな?」
ユウキは今の武具の嵐のことについて聞いてはみたものの、わざとらしく口に指を当てたレインは答える気はないらしく。確かにOSSについてあまりオープンにしていないのは、あまり騒がれたくないユウキも同じことだ。
「それにさ、ユウキだって最後の何?」
しかし子供っぽい感情だと自分でも思ったが、あちらは秘密なのにこちらが懇切丁寧に説明してやる、というのは少しユウキには納得がいかず。特にフレンドには内緒にする理由はないのだが、剣を鞘に仕舞いながらレインを真似して指を口に当て、わざとらしく返答する。
「ならボクだってヒミツだもんね!」
……そんなやり取りをしていると、サイクロプスがやられたことに反応したのか、行き止まりだと思っていた壁がせり上がっていく。どうやら壁に偽装された扉だったらしく、その先には新たな道が続いていた。
新たに開かれた道と相方の顔を見比べながら、どうしてかおかしい気持ちになって、どちらからともなく笑い合いながら。
「じゃ、どっちもヒミ
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