第百話
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込められていたところをクラインたちが発見したらしく、そこをクラインが侍魂で助けだしたとか何とか。そしてこのダンジョンの主、スリュムを打倒するまでこちらに手を貸してくれるらしい……のだが。
「それ、罠じゃないの?」
「罠なのか?」
「ほら、前にあったじゃない。あんたが連れてったNPCがら『ふはは、ここに連れてくれて感謝するぞ』みたいなの。アレよ」
リズの歯に衣着せぬ言葉に問いかけてみると、ああ――と、確かに『そういう』イベントも経験した記憶がある。フレイヤさんはそんな俺たちの様子に対し、困ったように苦笑しており、クラインもその可能性も否定は出来ないらしい。
「でもよぉ……こんなキレイな人なんだぜ? なぁショウキよ?」
「だから怪しいってのよ!」
そうクラインに問いかけられ、改めてまじまじとフレイヤさんの容姿を観察しようとしたところ、俺の前にリズが飛び込んできた。結局クラインと言い争うリズの背中と、大体目につくそのふわっとしたピンク髪しか見えなくなり。
「何かあったら後ろから撃てばいいんでしょう?」
まあ、それはそれでいいか――なんて考えていた俺の耳に、そんな物騒な言葉を聞こえさせたのは、ケットシーのスナイパーことシノン。様々な矢を準備していながらそう語る彼女からは、まるで冗談のような雰囲気は感じられず、苦笑せざるを得ない。
「シノン。ユウキかレイン、見なかったか?」
「……あんたたちと一緒じゃないの?」
そのままギャーギャーと言い争いを初めたリズとクラインを横目にしていると、返答とともにシノンの水色の視線がこちらを覗き込む。トンキーに一緒に乗ってはいたが、途中ではぐれてしまったあの二人は、やはりこちらのパーティーにも合流していないらしく。
「ああ、途中ではぐれたんだ。あと……サイクロプスとか、見てないか?」
「ふぅん……サイクロプスってあの一つ目の奴よね? なら会ってないわ。ノリのおかげで、今のムカデ以外には接敵してないし」
こちらの妙な質問にもシノンは、眉一つ動かさずにテキパキと答えてくれた。スプリガンのノリのダンジョンアタックをサポートする魔法とスキルにより、あまり消耗することなく移動出来たらしく――こちらのスプリガンとは大違いだ――サイクロプス系のモンスターとは会っていないらしい。
「で、何なの?」
「いや、もしかしたら……ユウキとレインの二人だけで、邪神級のサイクロプスに会ってるかもしれない」
手は淀みなく弓矢の整備を続けていたが、流石に不審げな視線を向けてきたシノンに、今までの質問の意図を説明する。
第一層で俺たちを待ち受けていたのは、サイクロプス系のボスだったが、本来いるはずの場所にはおらず。これ幸いと俺たちは素通りした
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