第百話
[5/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
を一旦鞘にしまう。動けない巨大モンスターとは、いまいち試し斬り相手としては不満足だが――腐っても邪神級モンスターだ、耐久力は期待できるだろう。
「……あたしの苦手なものを知ったんだから、こいつ倒したらショウキの番よね」
そんな試し斬り相手と見定めながら、腰から新生日本刀《銀ノ月》を象徴するアタッチメントを取りだしていると、背後のリズからそんなことをボソりと呟かれる。完全にリズの自爆からの責任転嫁なそれに、ひとまず流すことにして。
「ボスを倒した後でな。よし、行く――」
「――いやおせぇよ!」
十本足ムカデへの攻勢に参加しようとした瞬間、いつの間にか横にいたクラインに張り倒された。そのままもんどりうって倒れそうになるも、何とかバランスを取って立つことに成功した。
「何するんだクライン」
「いや遅ぇっての! もうキリトがチートでやっちまったよあのムカデ!」
どうやら全員でタコ殴りをするまでもなく、キリトが《スキルコネクト》でそのまましとめていたそうだ。まあ最後のあがきで全滅させられては困ると、キリトの即座に撃破するという判断は間違っていない。ただクラインのフラストレーションは貯まったらしく、攻撃に出遅れていた俺たちに文句を言いにきたらしい。
「何で皆で攻撃しようとしてる時にイチャイチャしてんだよォォイ?」
「それは……悪かった。すまない」
「いや、元はと言えばあたしのせいだし……ごめん」
最後の方はもの凄い巻き舌になっていたが、おおむねクラインの言うことは正論であり。ポリゴン片と化している巨大ムカデの向こう側で、シリカに励まされて《スキルコネクト》の練習をしているルクスを見ながら、リズとともにクラインに正直に謝った。そんな様子にクラインも毒気が抜かれたのか、追求の手をどうするか迷うような表情に変わる。
「お、おう……いや何だな。そう素直に謝られるとよぉ……」
「計画通り」
「ん? おいリズ今何つった?」
「それよりクライン。あの女の人は……」
リズの呟いた言葉に突っかかって行きそうなクラインだったが、俺があの金髪の女性のことを聞いた途端、こちらに襲いかかってきた。……いや、襲いかかってくるような雰囲気だったが、どうやら『よくぞ聞いてくれました』ということらしい。驚いて身を竦めた俺とリズの手を掴むと、高速で件の金髪の女性の元へ俺たちを連れて行く。高いステータスの無駄使いだった。
「こちら、囚われの女神様のフレイヤさんだ。何でもスリュムのクソ野郎に閉じ込められてたみたいでな!」
「フレイヤです。妖精様、よろしくお願いします」
礼儀正しくお辞儀をするフレイヤと呼ばれた女性は、どうやらこのダンジョンに囚われていたNPCらしく。牢屋に閉じ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ