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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第四話 平穏に向けて
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「エネルギーって、どれくらいの規模の?」

《そうですね……1つで次元震を起こすことくらい、わけないでしょうね》

「っ!?」

 アマネの説明に、俺とユーノは目を見開くほど驚いた。

 それこそ、許されるならば大声を上げてしまえるほどに。

 唯一、次元震を知らない高町だけがきょとんとしていたため、俺は彼女に目線を変えて話す。

「次元震。 難しい説明を省くとすれば、大震災レベルの大地震よりも更に大きな地震みたいなもん。 しかも次元震は地下の断層が……ってレベルの話しじゃない。 それこそ空間が揺れるって話しなんだ」

 そして、空間までもが揺れることで発生する被害。

「この世界じゃ飛行機とかヘリコプターとか、とにかく地上から離れれば地震の被害ってないだろうけど、次元震の範囲は空も含まれるから、世界そのものが揺れるようなものなんだ」

「え……ええ!?」

 ようやく事の重大さ、規模の広さを理解した高町は驚きの声を上げる。

 そう、これがどれだけ凄いことで、危険なことなのか。

 そしてそれをたった一個の小さな石ころで発生させることができると言う事実。

 何より、そんな危険極まりないものが、この魔法が存在しない世界にまだどこかに散らばっていると言う現状。

「下手をすれば、ユーノを始めとするスクライア一族がロストロギアの管理責任を問われることだってありえるな」

《ええ。 管理内世界ならまだしも、ここまで魔法文化に縁のない世界に複数のロストロギアが落ちたとなれば、その責任はあまりにも大きいでしょう》

「となると、管理局(しょくば)に相談するのが普通なんだよな」

 ユーノが罪人になる覚悟で管理局へ相談すれば、事態は急速に済ませることができるかもしれない。

 何より俺がこの世界にいるだけに、うちの艦長やクルーが黙ってないだろう。

 ……とは言え、ここでユーノを見捨てるようなマネもしたくない。

 ……とは言え、このまま俺やユーノだけでジュエルシードを探すのも骨が折れる作業になる。

 その間に被害が出てたんじゃ意味がない。

「うーん、難しいな」

 腕を組んで悶々とする俺に、アマネは冷静な態度で伝える。

《やはり、管理局の協力を仰ぎますか?》

「いや、それはちょっと避けよう」

《理由は?》

「いやほら、ここで知られるとユーノが裁判にかけられるかもじゃん?」

「え、そうなの!?」 

 俺とアマネの会話に、高町が声を上げて入る。

 裁判に関しては俺よりも詳しいアマネが説明する。

《管理局側からしますと、ユーノ様はかなり危険な兵器になり得るものを、魔法文化すら発達していない世界に落としてしまった人と見なします。 
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