三十二話:戦う意義
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那、なんか案がありますか?」
セインが通信で切嗣に話しかける。実はセインは切嗣のギンガとティアナからの逃走を手伝っていたのである。そして、その役目が終わって暇にしていた所をヴィータの接近に気づいた切嗣に救助に向かわせられたのである。内心、戦闘機人使いが荒いと思っているがそれは言わない。
【ルーテシアちゃんは救えたんだな。なら一旦ルーテシアちゃんはこのすぐ上の地上に出るんだ】
「それでどうするの?」
【地雷王でその区画丸ごと潰すんだ】
「うわ、えげつな。というかアギトさんは?」
【相手が混乱している隙に君が地下から救出すればいい】
こともなげに敵を生き埋めにすると宣言する切嗣に思わずひくセイン。ルーテシアの方は表情からは何も読み取れない。現在切嗣は別の場所にいるために情報はセインに持たせたサーチャーとこうして得た情報だけであるが判断に迷いはない。もっとも、地下水路からすればこの上なく迷惑であるのだが。
「まあいいや、了解って……あれ? それってあたしも生き埋めじゃ?」
【今更何を、君はいつも生き埋めみたいなものじゃないか】
「いやいやいや、こう……気分的な問題?」
【とにかく、そっちは任せたぞ。そろそろ標的が来る。後、ルーテシアちゃん、水路を破壊したらすぐに逃げておきなさい。多分、ヴィータなら切り抜けると思うから】
「わかった」
セインの言葉を無視して通信を切る切嗣。ルーテシアと自分の扱いが明らかに違うと感じながらもセインは言われたとおりに動き出す。ルーテシアも戻ってきたガリューと共に地上へと向かい出すのだった。
一方のヴィータ達は忽然と姿を消したルーテシアとガリューを追うために拘束したアギトを問い詰めていた。しかし、アギトの方は頑なに知らないの一点張りである。もっとも、彼女もセインがルーテシアを回収したということしか知らないのだが。
「おい、あいつらはどこに行ったんだよ。というか、なんだよあれ。地面の中に入り込むなんて普通じゃねえ」
「だーかーら、あたしも知らないって言ってるだろ」
ヴィータのドスの利いた尋問にもそっぽを向き答えないアギト。その態度にヴィータはカチンと来てしまうがそこは部下の手前。何とか大人っぽい態度を取り抑えてみせる。しかしながら、額に若干青筋が浮かんでいるのであまり隠せてはいない。
「むむむ、そうやって否定するところが怪しいです」
「うっせーな、バッテンチビ!」
「なっ! リインはリインフォースUって立派な名前があるですよ!」
「バッテンチビはバッテンチビだ! ……って、リインフォース? そう言えばお前―――」
アギトがリインフォースという名前に反応し話を続けようとしたところで地面が轟音を立てて揺れる。全員が何事かと戸惑っている
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