三十二話:戦う意義
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
っちは情報が分からないんだろ?】
「相手が力を注ぐなら本命のレリックの方や。それにスターズの方だけジャミングかけとるのは多分囮の意味もある。勿論、スターズの二人が危ないのは分かっとる。でも、持久戦になって長く持つのは年齢的にも考えてスターズの方や。これが現状取れる最善の手や…ッ」
言葉の端に自分の不甲斐なさから力が籠るはやて。実際、はやての推測はほぼ当たっており、切嗣は戦う気はほぼなくルーテシアとガリューが本気でレリックを取りに来ているだけである。さらにジャミングはより多くの敵を引き付けるための囮であった。引き付けて引き付けて、仕掛けてあった爆弾で瓦礫の下に沈めようという切嗣の作戦はここで潰えた。
しかしながら、さしものはやてもまさか相手がスバル一点狙いの精神攻撃を行っているとは思わない。結果から言えば肉体的損傷はほぼなく精神的損傷が大きく残るというもので終わるのだがこれを読めと言うのは流石に無理があるだろう。犯人がスバルの心の傷を自分ことのように理解しているなど誰が指揮をしていても思い付かない。
【分かった。すぐにケースを確保してスバル達の方にも向かうかんな】
「ありがとうな、ヴィータ。……ほな、私も早いとこ終わらせて本命のとこに行かんとな」
通信を切り、ガジェットの群れを睨み付けてはやては静かに呟くのだった。
暗闇の中から襲い来る不可視の攻撃。それは相手にその気があれば必殺の一撃となる。だが、自分は生きている。理由としては相手にこちらを殺す気が無かったのだろうとエリオは息を潜めながら判断する。
レリックケースの反応を追って奥深くまで進んできたエリオとキャロの二人。ケースらしきものを見つけて二人で喜びを分かち合ったのも束の間。本当にレリックかどうか確認することもできずに認識の外からの攻撃を受けた。
何とか受け身を取れたものの追撃を受ければひとたまりもない。すぐさま体を起こしキャロと敵の姿を探す。まず目に入ったのは同じように吹き飛ばされながらも起き上がるキャロの姿。そしてもう一つはケースを後生大事そうに抱える自分と同じぐらいの紫色の髪の少女。
「君、それは危ないものだからすぐに放して!」
「…………」
念のために警告をするがここまで来ている人間が無関係なはずもない。返事は無言での魔力攻撃であった。同年代に比べれば二人共高い魔力量と資質を兼ね備えているが少女のそれは常軌を逸していた。まるで目の前に台風が来たかのようなそれに可能な限り防御ができる体勢をとるが意味がない。
「ガリュー、お願い」
何とか吹き飛ばされずに耐えたところ少女の言葉と共に先ほど襲い掛かってきた不可視の攻撃に襲われる。暗闇に紛れた人間の力とは雲泥の差がある蹴りを食らい壁に叩き付けら
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ