第2章:埋もれし過去の産物
第36話「命からがら」
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れができると思ってるの?あの人はムートと似ているだけの別人なのに。...もう死んだんでしょう!?これ以上、私に希望を持たせないでよ!!」
泣き叫ぶように、嘆くように緋雪は叫ぶ。
...もう、救われないと分かっているかのように。
「...どの道、ムートがいない世界なんていらない。壊すのには変わりないよ。さっきの人間には逃げられたけど...もう三人、見つけちゃったもんね。」
そう言って緋雪はとある方向へ飛んで行った。
一方、織崎神夜とアミティエ・フローリアン、キリエ・フローリアンのグループでは...。
「....通信が、途絶えた...?」
『ああ。司から来ていた通信が全て途絶えた。寸前までは恐らく闇の欠片に乗っ取られたであろう緋雪が映っていた。おそらく....。』
「っ.....。」
クロノからの通信に神夜は歯噛みする。
まさか、司が倒されるとは思っていなかったのだろう。
『そちらも警戒してくれ。今回の事件、予想以上に状況が厳しい。』
「分かった。」
そう言って神夜は通信を切る。
「...くそ...!」
「神夜さん...。」
悔しがる彼を、アミタが心配するような声で彼の名を呼ぶ。
...尤も、ここまで彼女が彼を心配するのはひとえに“魅了”の所為なのだが。
「(なんだよこれ...!原作と大違いじゃないか!BOAはなかったし、GODであるはずの今もユーリは強い、闇の欠片で変な奴は現れる、なぜか本物を乗っ取る力もあるとか相違点が多すぎる!...くそっ、どうなってんだ...!?)」
彼は原作と違う事に焦る。
...なお、“変な奴”とは妖の事である。乗っ取るのも緋雪限定の事である。
「(おまけに未来から転生者とその家族?は来るし、そのうち二人程知っている容姿をしてたし、おまけにヴィヴィオが志導優輝の養子!?原作はどうなってるんだよ!)」
想定していた通りにならず、頭を掻き毟る神夜。
...当然だが、彼ら転生者がいる時点で“原作”というものは存在しない。
そして余談だが、元々この世界に“原作”となる物語は存在しない。
「っ...誰か...来る!」
〈主、この魔力と圧力は....!〉
「っ....!?」
彼らは何かが接近してくるのを感知した。
そして、その方向を見ると...。
「....あはっ♪」
「っ....!?二人共、散r」
―――ドォオオオオン!!
緋雪が彼らに手を向け、それを握る瞬間だった。
“破壊の瞳”によって、彼らの集まっていた場所が爆発する。
「ぐっ....!」
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