burst
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スリュムヘイムでの最後の戦いは熾烈を極めた。
左右から撃ち下されるパンチ、右足の三連続踏みつけ、そして動きを封じる氷ブレス。それだけでも厄介だというのに各部を守る分厚い毛皮のレギンスは高い物理耐性を持っており、まるで手応えがない。
それでもフレイヤの操る電撃系の攻撃魔法によりスリュムのHPは確実に削られていった。10分以上経ってようやく最初のゲージが消えるとスリュムは一際大きな咆哮を上げた。
「パターン変わるぞ!注意!」
「まずいよ、お兄ちゃん。もうメダリオンの光が3つしか残ってない。多分あと15分ない」
「流石にこのペースじゃ間にあわねぇよな・・・」
シオンとキリトの表情が曇る。それを悟ったかのようにスリュムは大きく息を吸い込んだ。
「まずい、来るッ!」
「みんな、防御姿勢!」
キリトの声に全員が両腕をクロスしその場でかがんだ次の瞬間、スリュムの口から広範囲の氷ブレスば放たれた。アスナがかけていたバフを貫通し、シオンたちの身体がたちまち凍結していく。
凍結によるダメージはないものの、完全に動きを封じられたシオンたちは動こうにも動けない状態に陥っていた。スリュムが己の右脚を高く持ち上げると、
「ぬうぅぅーんッ!」
太い雄叫びと共にその脚を思い切り踏みつけると、それによって発生した衝撃波がシオンたちを貫いた。
砕け散る氷の身も眩むようなショック、強い衝撃による一瞬の意識の途絶、シオンは自分の身に起きたことを理解するのにほんの一瞬だけ遅れた。それを理解した頃には自分を含め、凍りついたメンバー全員のHPはレッドゾーンまで吹っ飛んでいた。
「クッソ・・・ッ」
「これは、かなりキツイね・・・」
シュタイナーはよろめきながら立ち上がりながらそう言った。後方ではアスナが回復魔法を、シノンが囮を務めてくれている。
残りのメンバーは回復ポーションを取り出し、口に流し込み、回復を待った。
そんな時、後ろからフレイヤが話しかけてきた。
「剣士様、お願いがあります」
「フレイヤさん?」
「このままでは、スリュムを倒すことは叶いません。望みはただ一つ、この部屋のどこかに埋もれているはずの、我が一族の秘宝だけです。あれを取り戻せば、私の真の力もまた蘇り、スリュムを退けられましょう」
「し、真の力・・・」
なんだか意味深な一言を言ったフレイヤにキリトは一呼吸分の時間を費やして決断する。
「解った。宝物ってどんなのだ?」
そう言われるとフレイヤは両手を30センチほどの幅に広げた。
「このくらいの大きさの、黄金の金槌です」
「か、カナヅチ?」
「金槌です」
どうにもコントのようなやり取りをしている最中、シノンはとうとうスリュムに殴
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