第一話『目覚めと戦慄』
[3/4]
[1]次 [9]前 最後 最初
絶望した、少年の身長は約150cm、
この歳の子供にしては高い方だが、
明らかに高さが違った
「…童よ」
「は、はい」
「“さぁびす”だ、私が採ってやろう」
謎の人物は掌を花に向けて、
己の掌を閉じた、すると何故か花は消えた
「えっ?は、花が…!?」
「くく、いい“りあくしょん”だ
ほれ、こっちを見てごらん」
子供達は謎の人物の方を向くと、
謎の人物は子供達に腕を向け、掌を開けた
すると不思議な事に、先程の花がそこに
存在していたのだ
「えぇっ!?」
「すごぉーい!」
「くく…」
謎の人物はどこか満足そうな様子で、
少年の手に花を乗せた
「さて、これで材料は揃ったのだろう?
早く家に帰って…っと、そう言えば道が
分からんのだったな」
その言葉を聞くと、先程まで喜んでいた
子供達は途端に元気を無くしてしまった
「くく、なぁに悄気げるな
私も気分がいい、ほれ。
私の背中に捕まってみ?決して手を離すなよ」
子供達は謎の人物の背中に捕まると、
ふわっ…と子供達ごと宙に浮いた
「うわわわっ!?」
「わぁ!巫女様みたい!」
「巫女…?ふむ、なるほど…
よぉし、では人の気配がする方角へ飛ぶ
振り落とされるなよ?」
そうは言いつつ、謎の人物は子供達に合わせる
様に速度を落としつつ飛行する
しばらくして灯りが沢山集まっている
“人間の里”を見つけた
謎の人物は人里の木で出来た外壁の門の前に
ゆっくりと着地した
「ここかね?」
「うん、ありがとう妖怪さん!」
すると、里の方角から人々が走って来た
中には刀や槍で武装している者もいる
「浩介!椿!無事だったか!」
「お父さん!」
浩介と椿は自分の父親を見つけ、
安心と嬉しさを抑えず、父親に抱きついた
「浩介に椿ちゃん、怪我はないな!?」
一人の女性が2人に声を掛ける
「慧音先生!
うん、途中で妖怪に襲われたけど…」
「なに!?ど、どこも怪我してないよな!?」
「うん!妖怪さんが助けてくれたんだー!」
「…?妖怪に襲われて妖怪に助けてもらったのか?」
「うん!ほらそこに……あれ?」
椿が指さした先には、本来あの妖怪がいたが、
そこには何もいなかった
「…?誰もいないじゃないか」
「ほんとだよぉ!白いローブを着た妖怪さん!」
その言葉を聞いた瞬間、慧音は戦慄した
冷や汗を流し、明らかに動揺している
「つ、椿…その妖怪、顔は見たか?」
「かお?ううん、見えなかった
まっくろでおめめだけ光ってたよ!」
「…―――っ!?」
「慧音先生?その妖怪に何か
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ