第一話『目覚めと戦慄』
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当然だ、妖怪は頑丈で刀などでも余程の達人で
なければ斬る事は疎か刺す事も出来ない
それをこの謎の人物は“握り潰した”のだ
十中八九、この謎の人物も妖怪だと、
子供達は察してしまった
謎の人物は子供達の方を向いた
そして子供達にその謎の人物の容姿が見え…
なかった、謎の人物はフードを被っており、
それでも身長的に顔は見えると思ったが、
“見えない”のだ
謎の人物の顔には黒い“もや”の様な
ものが掛かっており、黒いもやには赤い瞳の
様な点が左目の方にだけ存在している
「ーーーーーーーー」
「…え?」
なにやら謎の人物が子供達の方を見ながら
何か言っている様だが、子供達にはその
言葉が分からなかった
「…!」
謎の人物はなにやら気付いた様な仕草を
とる、そして野太い咳払いの様なものをした
あと、謎の人物はこう子供達に話し掛けた
「すまぬ、うっかりしていた
無事か?童共」
謎の人物は子供達にも分かる様に
言語を変えたのだろうか、今の子供達には
謎の人物の声が低い男性の声のそれに聞こえる
「え、と…大丈夫、です」
「…ふむ」
謎の人物は子供達の方に近づき、
目線を合わす様に身を屈めた
「怪我は…無い様だな、何よりだ
さて童共、私の質問に答えてはくれぬか?」
「は、はい」
「分かり、ました…」
「うむ、素直な童共だ
私は素直な者には優しいのだよ」
謎の人物は子供達の頭を撫でようと、
手を子供達の頭に近づけるが、
「…ふむ、これでは撫でられんな」
子供達は気付いた、謎の人物は
手にも顔にある黒いもやの様なものがある
「さて、では話しは戻るが
…此処は何処かね?」
「…へ?」
謎の人物の質問に、子供達は唖然と
してしまった
「くく、いやなに、此処には最近来たのでね
何処に何があるのか全く把握しとらんのだよ」
「えと…実は」
「む?」
子供達はこれまでのあらましを謎の人物に
説明した、そして
「ふむ…童共、お主らの母親の病の症状、
教えてはくれぬか?できればその病名も」
子供達は謎の人物に、竹林の医者が
父親と話している時に聞いた話しの内容を
全て伝えた
「…瞳が紅くなり、まるで妖怪の様に
呻き声をあげる…そして病名は『鬼眼病』
…ふむ、そしてその薬草だが、ほれ
あそこを見てみ」
子供達は謎の人物が指を指した上空を
見ると、そこには高い木の枝から生えている
赤い花があった
「あれは『紅皇花』さっき言った鬼眼病を
治す薬の材料だ、おそらくお主らの探し物は
それであろうな」
「あんな、所に…」
少年は
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