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DQ3 そして現実へ…〜もう一人の転生者(別視点)
身内が神の様に崇められる
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ってこう言うのを言うんだろうなぁ…

「あのねフィービー…君が僕の事を尊敬してくれるのは嬉しいんだけど、この絵の僕はまるで神様みたいに描かれてるよ!止めてくんない!?」
先程までの怒りに任せた勢いはなく、優しい口調で宥める様に話すお父さん。

「何で?リュカは私にとって英雄よ!この国の救世主よ!神と言っても良いくらいよ」
もう妄信的に崇めてる…いっそこの地で布教活動を始めちゃってもよくね?
お布施いっぱい集めて、金ぴかの宮殿作って、新しい宗教団体を作っちゃってよくね?
名前は…“光の教団”なんつって(笑)

「それは違うよ…僕は人だ!なんの力も持ってない平凡な人間なんだ!」
「そんな事無いわ!リュカは私達を…この国を救ってくれたじゃない!力無き者に出来る事では無いわ!」
「はぁ…違う違う…違うよ!もし僕が神ならば、この国があんな酷い状況になる前に何とかしたんだ…そこのバカ王が変化の杖を奪われ、王位をも奪われた時に現れて、あのバケモノを倒したんだ!そうすれば力無き弱者が虐げられ、フィービー…君の様な()を不幸にする事も無かったんだ!」
そうよね…もし本当に神様が居るのなら、一大事になる前に手を打ってるハズよね。

「僕を神として人々に知らしめる事は酷い侮辱なんだ…いい加減不幸の極みで現れて、怒りに任せてバケモノを倒し、復興を手伝わずに帰って行く…そんなの神じゃ無い!そんなの英雄じゃ無い!…でも人ではある。自分の手の届く範囲でしか物事を解決出来ない凡庸な人間だ!」
私もそう思う…

確かにお父さんは凄い人だ。
尊敬出来る部分もある…
でも尊敬出来ない部分も大いにあるのだ!
何処の世界に其処彼処で子作りする神様が居るだろうか?

「でも…リュカが居たから…リュカがこの国に来てくれたから、私達は今生きている…それは事実よ」
その事実とお父さんが神であることはイコールじゃない。

「神とは…誰にも出来ない事をやってのける存在だ!僕のやった事は、僕じゃなくても出来る事…バケモノと戦う力さえあれば、誰が行っても良かったんだ。ただ偶然…本当に偶然僕がこの国へ訪れ、あの惨状を目の当たりにし、怒りを滾らせたからこうなっているだけなんだ」
人間として行動した結果、大勢の人々を救うことが出来ただけ…

「……………」
彼女は俯き黙ってる。
きっと納得出来ないのだろう…でも言いたいことは理解出来たのだ。

「はぁ……」
そんなフィービーを見て大きく溜息を吐くお父さん…
「僕はね…目の前で父親を殺されたんだ………」
そして自身の生い立ちを語り出す。



「………だから僕は神など信じない。もし神が居るのなら、此処まで酷い事をされたのは何故だ?せめてビアンカを攫うのを防いでくれても良いじゃないか
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