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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜実験編〜
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らないよ」
「バカ!圏外じゃ何が起こるかわからないのよ!さっさとパーティー組んでHPバー見せて!!」
雷を落としたアスナは、そのままウインドウを操作してパーティー要請を飛ばしてきた。
何故かレンにも。
反論しようと開きかけた口も、レーザーのようなアスナの視線に晒され、即座に閉じた。
仕方なく受諾すると、視界左上の自分のHPバーの下に、やや小型のアスナとキリトのゲージも出現した。
キリトはというと、なぜだかまたアスナの顔をまじまじと眺めている。
「…………なに?」
「いや……なんつうか、こんなに心配してくれると思わなくて………」
キリトが言った途端、アスナの白い頬が右手の結晶と同じ色に染まり、眼を丸くしたキリトを再びの落雷が落ちた。
「ち……違うわよ!いえ、違わないけど…………もう、さっさとしてよ!!」
ひぃっ、と震え上がり、キリトは改めてピックを構える。
「じゃ、じゃあ、いきます」
宣言してから、大きく息を吸い───
キリトは、まっすぐ伸ばした己の左手目掛けて、投剣スキルの初級技《シングルシュート》のモーションを起こした。
右手の二本指で挟んだピックが、控えめなライトエフェクトとともにぴうっと飛翔し、直後にどすっと手の甲を貫通する。
HPバーは、キリトの予想よりも僅かに多く、約三パーセントを減らしていた。
レンがぽけーっと刺さった鉄針を眺めていると、五秒後に再び赤いエフェクト光が閃く。同時にHPが0.5パーセントほど削れる。
まさにこれが、カインズ氏の命を奪った《貫通継続ダメージ》に他ならない。
「………はやく圏内に入ってよ!」
強張るアスナの声に背を押されたようにキリトはひとつ頷くと、HPバーとピックの双方に視線を据えたまますぐ近くのゲートへと向かった。
ブーツの底が踏む湿った草が硬い石畳へと変わると同時に、視界に【INNER AREA】の表示が浮かぶ。
そして───
HPバーの減少が停止した。
五秒ごとに赤いエフェクトがフラッシュするのだが、ヒットポイントはわずかにも減らない。やはり、圏内ではあらゆるダメージはキャンセルされるのだ。
「………止まった、わね」
アスナの呟きに、頷くキリト。
「武器は刺さったまま、でも継続ダメージは停止、か」
「感覚は?」
レン。
「残ってる。これは……武器を体にぶっ刺したまま圏内をうろつくバカが出ないようにするための仕様かな………」
「今の君のことだけどね」
絶対零度のような声を背に受けながら、レンは袖口から煙管を取り出し、かぱーっと煙を吐き出す。吐き出された紫煙は、綺麗な輪となって宙空に消えていった。
その光景をぼーっと見な
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