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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜絶望と悲哀の小夜曲〜
圏内事件〜実験編〜
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った瞬間消えるだろ?貫通ダメージも同じじゃないか?」

「でも、そしたら刺さってる武器はどうなるの?自動で抜けるの?」

「それもなんだか気持ち悪いな………。よし、まだちょっと時間あるし、実験しようぜ」

キリトの言葉に、アスナが眼を丸くした。

「じ、実験!?」

「百聞一見」

怪しげな四字熟語とともにキリトは立ち上がると、街区マップを呼び出し、最寄の門への道を確認した………ところでレンを見た。

「………………そろそろ食べ終われよ。レン」

レンは、積み上げられた空っぽの皿のタワーに囲まれながら、首を振るのだった。










アインクラッド第五十七層主街区【マーテン】のすぐ外は、節くれだった古樹が点在する草原になっていた。

しとしと降る霧雨を掻き分けて、市街の門から出た途端、視界に【OUTER FIELD】の警告が表示された。

すぐモンスターが襲ってくるわけではないものの、心の一部が自動的に緊張する。

傍らを歩く、腰にいつものレイピアを装備しなおしたアスナも、どこか神経質に前髪に溜まる水滴を煩わしそうに弾いている。

「んで………実験ってどーするの?」

「こうする気」

フードを目深に被ったレンの言葉に答えたキリトはベルトを探ると、常に三本装備されている《スローイング・ピック》を一本抜き出した。

アインクラッドに存在するあらゆる武器は、斬撃(スラッシュ)刺突(スラスト)打撃(ブラント)貫通(ピアース)の四属性に分類される。

キリトの片手直剣とレンのワイヤーは斬撃武器だし、アスナのレイピアは刺突武器だ。

メイスやハンマーが打撃、そしてカインズ氏を殺したスピアや、シュミット氏の持つランスが貫通武器ということになる。

ここで微妙なのが、幾つか存在する投擲武器の扱いだ。

同じ投げモノでも、ブーメランや円形の刃を持つチャクラムは斬撃、スローイングダガーは刺突、そしてキリトのスローイングピックは貫通と属性が分かれる。

つまり、たかだか長さ12センチほどの大型の鉄針にしか見えないが、このピックは立派な貫通武器であり、ゆえにわずかながら継続ダメージが発生するのだ。

自分のHPは実験に提供しても、装備の耐久度まで減らすのは馬鹿らしいのか、キリトは左手のグローブを外し、広げた手の甲に向けて振り上げた──

「ちょ……ちょっと待って!」

──ところで鋭い声にぴたっと手を止める。

キリトと二人して見ると、アスナがアイテム窓を開き、高価なヒーリングクリスタルを取り出しているところだった。

キリトと二人、思わず苦笑する。

「大げさだなぁ。こんなピックが手に刺さったくらいじゃ、総HPの一、二パーセントくらいしか減
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